アメリカで体調を崩したとき、いちばん怖いのは病気そのものよりも「英語で何をどう言えばええのか分からへん」という不安やと思います。
日本の病院とは仕組みがまるで違うので、日本語で言えることがそのまま英語に置き換わってくれません。
この記事の結論は、アメリカの病院で使う英語は単語を丸暗記するのではなく「受診の動線の順番」でまとめて覚えるのがいちばん早い、ということです。
予約を取る、受付で手続きする、症状を伝える、診察室で話す、薬局で薬を受け取る。
この流れは、どこの病院に行っても、ほぼ同じ順番で進みます。
順番が同じということは、その場で聞かれる英語も毎回ほとんど同じということです。
先に断っておくと、この記事はあくまで「英語のやりとりの型」をまとめたもので、医療のアドバイスではありません。
体の症状そのものをどう扱うかの判断は、現地の医療者に任せてください。
この記事で分かることを、先に6つ並べておきます。
- ✓ primary care doctor と urgent care と ER の違い、そして英語での呼び分け方
- ✓ 予約(appointment)を電話とオンラインで取るときの英語
- ✓ 受付でほぼ確実に聞かれる質問と、その返し方
- ✓ 症状(symptoms)を英語で説明するときの4つの軸
- ✓ 診察室で医師に聞かれること、こちらから聞き返すときの英語
- ✓ 処方箋(prescription)を薬局(pharmacy)で受け取るまでの英語
アメリカの病院で使う英語は「受診の動線」の順に覚えるのが最短
英語の医療単語帳を最初から順に覚えようとすると、たいていの人が途中で力尽きます。
理由は単純で、単語帳は「あいうえお順」や「体の部位順」で並んでいて、実際に使う順番になっていないからです。
現場で必要なのは語彙の広さではなく、「次に何を聞かれるか」を先に知っていることです。
先が読めていれば、多少つたない英語でも会話は前に進みます。
受診は5つの段階に分かれている
アメリカでの受診は、大まかに5つの段階に分けて考えると整理しやすくなります。
| 段階 | 英語での呼び方 | そこで起きること |
|---|---|---|
| ①予約 | making an appointment | 電話かウェブで日時を押さえる |
| ②受付 | check-in / front desk | 身分証と保険証を出し、書類を書く |
| ③問診 | intake / vitals | 看護師が体重・血圧を測り、症状を聞く |
| ④診察 | seeing the doctor | 医師と話し、必要なら検査に回る |
| ⑤薬 | picking up a prescription | 薬局のカウンターで薬を受け取る |
この5段階のうち、英語の負荷がいちばん高いのは②の受付と③の問診です。
④の診察は、相手が医療のプロなので、こちらの英語が多少崩れても拾ってもらえることが多いです。
逆に言えば、受付と問診さえ乗り切れば、あとは何とかなるということでもあります。
英語が詰まったときの万能フレーズを先に持っておく
どの段階でも共通して効くのが、「聞き取れなかった」と正直に伝える英語です。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| Sorry, could you say that again? | すみません、もう一度言ってもらえますか | いちばん角が立たない聞き返し | 相手の一言が丸ごと聞き取れなかったとき |
| Could you speak a little slower, please? | もう少しゆっくり話してもらえますか | 速度だけ落としてほしいという合図 | 単語は分かるのに速くて追えないとき |
| English is my second language, so please bear with me. | 英語は第二言語なので、大目に見てください | 最初に言っておくと相手の話し方が変わる | 受付や問診の冒頭 |
| How do you spell that? | それはどう綴りますか | 薬や病名を文字で確かめたい | 聞いたことのない専門用語が出たとき |
この4本を先に口に入れておくだけで、分からない場面での沈黙がほぼ無くなります。
とくに3本目の「English is my second language」は、言った瞬間に相手の話す速度が落ちることが多いです。
遠慮して黙るより、最初に宣言してしまうほうが結果的にスムーズに進みます。
アメリカの病院へ行く前に|primary care・urgent care・ER の違いを英語で理解する
日本から来た人がいちばん戸惑うのが、「そもそもどこへ行けばええのか分からない」という点です。
日本のように「近所の病院へとりあえず行く」という動き方が、そのままは通用しません。
アメリカでは、行き先が大きく3種類に分かれていて、それぞれ英語の呼び名がはっきり決まっています。
この3つの区別が付いていないと、予約の電話で最初の一言からつまずきます。
| 行き先 | 英語 | どういう場所か | 予約 |
|---|---|---|---|
| かかりつけ医 | primary care physician(PCP) | 継続して診てもらう自分の担当医 | 原則いる |
| 急病診療所 | urgent care | その日のうちに診てほしいときの受け皿 | 基本いらない |
| 救急 | emergency room(ER) | 命や重い外傷に関わる場面の窓口 | いらない |
| 飛び込み外来 | walk-in clinic | 予約なしで受け付ける小規模な診療所 | いらない |
primary care physician(PCP)=自分の担当医という考え方
primary care physician は、直訳すると「一次医療の医師」です。
会話では PCP と略され、「my PCP」のように所有格を付けて呼ぶのがふつうです。
日本語の「かかりつけ医」に近いのですが、ニュアンスはもう少し強くて、「自分の医療の窓口はこの人」という登録された関係に近い感覚があります。
専門医(specialist)にかかりたいときも、まず PCP を通す流れになることが多いので、英語でも「I'd like to see my PCP first.」という言い方をよく使います。
ここを知らずに、いきなり専門の病院へ電話してしまうと、話が噛み合わなくなります。
urgent care と ER を英語でどう言い分けるか
urgent care は、日本語に一対一で対応する言葉がないので、いちばん誤解されやすい単語です。
urgent という語の印象から「緊急=救急」と思ってしまいがちですが、英語の感覚としては ER ほど重くありません。
urgent care は「PCP の予約が取れないけれど、今日中に診てほしい」という位置づけの場所です。
一方の ER は emergency room の略で、こちらが本当の救急です。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| Is this something urgent care can handle? | これは urgent care で扱えるものですか | 行き先の判断を相手に委ねる聞き方 | 自分で判断が付かないとき |
| Should I go to the ER instead? | 代わりに ER に行くべきですか | より重い窓口に回るべきかの確認 | 電話口で状態を伝えたあと |
| Do you take walk-ins? | 予約なしを受け付けていますか | 今から行っても診てもらえるか | その日のうちに行きたいとき |
| What's your wait time right now? | 今の待ち時間はどれくらいですか | 着いてから何時間待つかの目安 | urgent care に向かう前 |
どこへ行くべきかの判断そのものは、素人が決めることではないので、迷ったら電話口の相手にそのまま聞いてしまうのが安全です。
「Should I go to the ER instead?」は、判断を丸ごと預けられるので、覚えておくと本当に楽になります。
walk-in という単語の使い方
walk-in は「歩いて入ってくる人」、つまり予約なしの来院者を指す名詞です。
動詞の walk in(歩いて入る)から来ているので、綴りにハイフンが入るかどうかで意味が変わります。
「Do you take walk-ins?」は、飲食店で「今から入れますか」と聞くのとまったく同じ構造です。
この1文が言えるだけで、予約が取れないときの選択肢が一気に増えます。
アメリカの病院を予約するときの英語|電話とオンラインの両方を押さえる
予約は appointment、予約を取るは make an appointment です。
reservation という単語を使いたくなりますが、こちらはレストランやホテル用で、医療の場面ではまず使いません。
医療・美容院・面談のように「人の時間を押さえる」場面は appointment、席や部屋のように「場所を押さえる」場面は reservation、と覚えると間違えにくくなります。
電話予約の最初の30秒で言うこと
電話がつながったら、最初に伝えるのは「何をしたいか」「誰なのか」の2つだけです。
症状の詳しい説明は、相手から聞かれてからで間に合います。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| Hi, I'd like to make an appointment. | 予約を取りたいのですが | 用件を最初に置く定型の入り | 電話がつながった直後 |
| I'm a new patient. | 私は新規の患者です | 初診なので登録から必要という合図 | その病院にかかるのが初めてのとき |
| I'm an existing patient. | 私は既存の患者です | 記録がもうあるという合図 | 2回目以降 |
| Do you have anything sooner? | もっと早い枠はありますか | 提示された日程が遠すぎるとき | 来週以降しか空いていないと言われたとき |
| What's the earliest you have? | いちばん早いのはいつですか | 最短の枠を出してもらう | できるだけ早く診てほしいとき |
「I'm a new patient.」を最初に言うかどうかで、相手の案内の中身がまるごと変わります。
新規なら書類の記入や登録の案内が入るので、来院時刻も早めに指定されることがあります。
この一言を落とすと、当日になって手続きが足りずに慌てることになります。
日時を決めるときに飛んでくる英語
日程調整のパートは、聞き取りの難易度がぐっと上がります。
曜日・日付・時刻・午前午後が、一息にまとめて読み上げられるからです。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| Does Tuesday the 9th at 2:30 work for you? | 9日火曜の2時半はご都合いかがですか | この枠でどうかという打診 | 相手が候補を出してくるとき |
| That works. | それで機能します | その日時で大丈夫です | 提示をそのまま受けるとき |
| That doesn't work for me. | それは私には機能しません | 都合が悪いです(角が立たない断り方) | 別の候補を出してほしいとき |
| Could we do something in the morning? | 午前中で何かできますか | 時間帯だけ希望を出す | 午後を提示されたとき |
| Let me write that down. | 書き留めさせてください | 少し間をもらうための一言 | 日時を聞き取って確認したいとき |
「Let me write that down.」は、聞き取りに自信がないときの時間稼ぎとして本当に使えます。
そのうえで「So that's Tuesday the 9th at 2:30, right?」と復唱すれば、日時の取り違えはほぼ防げます。
オンライン予約の画面で出てくる英語
ウェブやアプリから予約するときは、会話とは違う単語が並びます。
画面の英語は決まり文句の集まりなので、一度覚えれば次からは読む必要すらなくなります。
- ✓ Schedule an appointment = 予約を取る
- ✓ Reason for visit = 受診の理由(自由記入か選択式)
- ✓ Provider = 診てくれる医師や看護師(人を指す言い方)
- ✓ In-person / Virtual = 対面かオンライン診療か
- ✓ Reschedule / Cancel = 日時変更 / 取り消し
- ✓ Date of birth (DOB) = 生年月日
provider という語は「業者」と訳してしまうと意味が通らなくなるので、「診てくれる人」と覚え直しておいてください。
アメリカでは医師以外に nurse practitioner や physician assistant が診察を担当することもあり、それらをまとめて provider と呼びます。
アメリカの病院の受付で聞かれる英語|ここを外すと一歩も進まない
受付は front desk、受付の手続きそのものは check in と言います。
「Hi, I'm checking in for my 2:30 appointment.」と言えば、それだけで手続きが始まります。
受付で聞かれることは驚くほど固定されていて、ほぼこの4つに集約されます。
- ✓ 保険証を出してほしい(insurance card)
- ✓ 生年月日を言ってほしい(date of birth)
- ✓ 今日は何で来たのか(reason for the visit)
- ✓ 窓口で払う分がある(copay)
insurance card をめぐるやりとり
保険証は insurance card、身分証は ID です。
受付ではこの2枚をセットで求められることが多く、「ID and insurance card, please.」という短い一言が飛んできます。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| Can I see your ID and insurance card? | 身分証と保険証を見せてもらえますか | 2枚まとめて出してという指示 | 受付に立った直後 |
| Has your insurance changed? | 保険は変わりましたか | 登録済みの情報のままでよいかの確認 | 2回目以降の来院 |
| Here you go. | はいどうぞ | 物を手渡すときの定型 | カードを差し出すとき |
| I don't have insurance. What are my options? | 保険がありません。選択肢は何ですか | 保険なしでも受診できるか聞く | 保険が手元にないとき |
「What are my options?」は、困った場面で相手に選択肢を出してもらう魔法の一文で、病院に限らずどこでも使えます。
date of birth は答え方に型がある
本人確認では、名前よりも生年月日のほうが頻繁に聞かれます。
同姓同名がいても生年月日まで一致することは少ないので、識別子として使われているからです。
アメリカの日付は「月・日・年」の順なので、日本の「年・月・日」の感覚のまま答えると通じません。
たとえば1990年4月5日生まれなら、口頭では「April fifth, nineteen ninety」と言います。
年号は「nineteen ninety」のように2桁ずつ区切って読むのがふつうで、「one thousand nine hundred ninety」とは言いません。
紙の書類に書くときも「04/05/1990」の順になるので、日本式に「1990/04/05」と書くと読み違えられます。
reason for the visit は一言でよい
受付で「What brings you in today?」と聞かれることがあります。
直訳すると「今日は何があなたを連れてきましたか」で、要するに「今日はどうされましたか」です。
ここで長々と症状を語る必要はなく、短い名詞句で十分です。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| What brings you in today? | 今日は何があなたを連れてきましたか | 今日はどうされましたか | 受付や問診の入り口 |
| I have a sore throat. | 喉が痛いです | 症状を名詞句で一言だけ | 理由を短く答えるとき |
| I'm here for a follow-up. | 経過観察のために来ました | 前回の続きで来た | 再診のとき |
| I'm here for my annual check-up. | 年1回の健康診断で来ました | 定期の検診 | 症状がないとき |
受付での答えは名詞句で切り上げて、詳しい話は問診と診察に取っておくのが正解です。
copay という単語を知らないと固まる
copay は、受診時に窓口で払う自己負担分を指す言葉です。
co-payment の短縮形で、会話では必ず copay と縮めて使われます。
受付で「Your copay today is …」と言われたら、その場で支払いが発生するという合図です。
いくらになるかは加入している保険によって変わるので、金額の見込みをここで語ることはできません。
ただ、「Do I have a copay today?」と自分から聞けるようにしておくと、支払いの有無が先に分かって落ち着けます。
支払い方法を聞かれたら「Card, please.」か「I'll pay with a card.」で通じます。
アメリカの病院の問診で症状を伝える英語|4つの軸で組み立てる
受付が終わると、看護師に呼ばれて身長・体重・血圧などを測ります。
このパートは intake や vitals と呼ばれ、ここで症状(symptoms)の聞き取りが始まります。
症状を英語で伝えるときは、「どこが」「どんなふうに」「いつから」「どれくらい」の4つを順に埋めるだけで形になります。
この4本の柱を持っていないと、単語だけが飛び出して相手が拾いきれなくなります。
①どこが痛いのかを言う
痛みの場所は、部位の単語さえ入れ替えれば同じ型が使い回せます。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| I have a pain in my lower back. | 腰の下のほうに痛みがあります | 場所を名指しで伝える基本形 | 痛む場所がはっきりしているとき |
| It hurts right here. | ちょうどここが痛みます | 指をさしながら言う | 英語で部位名が出てこないとき |
| My stomach has been bothering me. | お腹が私を悩ませ続けています | ずっと調子が悪い(痛みとは限らない) | 不快感を伝えたいとき |
| The pain moves around. | 痛みが動き回ります | 場所が一定しない | 指させないとき |
部位の英単語が出てこないときは、無理に思い出そうとせず「It hurts right here.」と言って手で示すほうが正確に伝わります。
②痛みの種類を形容詞で選ぶ
英語では、痛みを「痛い」の一語で済ませず、質の違いを形容詞で言い分けます。
ここが日本語との差がいちばん大きいところで、日本人が詰まりやすい場面でもあります。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| sharp pain | 鋭い痛み | 刺すような、瞬間的に走る痛み | ズキッとくるとき |
| dull pain | 鈍い痛み | 重く、ぼんやりと続く痛み | 鈍痛が抜けないとき |
| throbbing pain | 脈打つ痛み | 心拍に合わせてズキンズキンする | 頭痛や腫れのとき |
| burning | 焼けるような | ヒリヒリ、熱を持った感じ | 胸やけや皮膚のとき |
| stiff | こわばった | 硬くて動かしにくい | 肩や首のとき |
| swollen | 腫れた | 膨らんでいる | 見た目に変化があるとき |
sharp と dull の2つだけでも先に持っておくと、問診の答えが一気に具体的になります。
組み立ては「It's a 形容詞 pain.」か「It feels 形容詞.」のどちらかで済みます。
③いつからかを since と for で言い分ける
期間の伝え方は、since と for の使い分けさえ押さえれば迷いません。
since は始まった時点、for は続いている長さを指します。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| I've had it since Monday. | 月曜からそれを持っています | 月曜に始まって今も続いている | 始まった日が言えるとき |
| It's been about three days. | だいたい3日間です | 3日ほど続いている | 長さで答えたいとき |
| It started last night. | 昨夜始まりました | 発症が昨夜 | 急に出たとき |
| It comes and goes. | 来たり去ったりします | 出たり治まったりを繰り返す | 断続的なとき |
| It's been getting worse. | だんだん悪くなっています | 時間とともに強まっている | 経過を伝えるとき |
「It comes and goes.」は日本語に直訳しにくいのですが、問診では驚くほど頻繁に出てくる表現です。
④程度を1から10の数字で答える
アメリカの問診でほぼ確実に出てくるのが、痛みを数字で答えさせる質問です。
「On a scale of 1 to 10, how bad is the pain?」という形で聞かれます。
直訳は「1から10の尺度で、痛みはどれくらいひどいですか」です。
この質問を知らずに初めて聞かれると、何を答えさせられているのか分からず完全に固まります。
答え方は「It's about a six.」のように、冠詞の a を付けて数字を言うのがふつうです。
「Six.」と数字だけでも通じますが、a を付けたほうが自然に響きます。
- ✓ It's about a three when I'm sitting still.(じっとしているときは3くらい)
- ✓ It goes up to an eight when I move.(動くと8まで上がる)
- ✓ It's a ten right now.(今は10です)
条件を付けて数字を2つ出すと、状態がぐっと伝わりやすくなります。
ここまでの4つの軸を並べれば、それだけで問診の答えは完成します。
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アメリカの病院の診察室で医師とやりとりする英語
診察室は exam room と呼ばれます。
看護師に案内されて部屋に入り、そこで医師が来るのを待つ、という流れが一般的です。
医師が入ってくると、まず軽い挨拶から始まります。
医師から飛んでくる定番の質問
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| What seems to be the problem? | 問題は何のようですか | どうされましたか(診察の入り) | 医師が入ってきた直後 |
| Are you taking any medications? | 何か薬を飲んでいますか | 常用薬の確認 | ほぼ毎回聞かれる |
| Any allergies? | アレルギーは何かありますか | 薬や食物のアレルギー確認 | 処方の前 |
| Does it hurt when I press here? | ここを押すと痛みますか | 触診しながらの確認 | 体を診てもらっているとき |
| Take a deep breath. | 深く息を吸って | 聴診のときの指示 | 胸に聴診器を当てられたとき |
常用薬とアレルギーの2つは、事前にスマホのメモに英語で書いておくと、その場で見せるだけで済みます。
薬の名前は発音が難しいものが多いので、口で言うより文字で見せたほうが確実です。
こちらから聞き返す英語を持っておく
診察で残念なのは、聞きたいことがあったのに聞けずに部屋を出てしまうことです。
質問の型を3つだけ持っておけば、その場で口に出せるようになります。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| What does that mean, exactly? | それは正確にはどういう意味ですか | 専門用語の中身を聞き直す | 知らない病名が出たとき |
| What are my options? | 私の選択肢は何ですか | 取りうる道を並べてほしい | 方針の説明を受けたあと |
| Is there anything I should watch out for? | 気をつけるべきことはありますか | 注意点を教えてほしい | 診察の終わりぎわ |
| Could you write that down for me? | それを書いてもらえますか | 文字で残してほしい | 聞き取りに不安があるとき |
「Could you write that down for me?」は、遠慮せず使ってよい一文です。
英語が第二言語であることを先に伝えてあれば、相手も自然に応じてくれます。
アメリカの病院のあと薬局で使う英語|prescription を受け取るまで
診察が終わっても、まだ終わりではありません。
処方箋は prescription、薬局は pharmacy、薬剤師は pharmacist です。
アメリカでは、処方箋が医師から薬局へ電子的に送られることが多く、こちらは紙を持ち歩かずに薬局へ向かう形になります。
だから診察室で「どの薬局に送りますか」と聞かれることがあります。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| Which pharmacy do you use? | どの薬局を使っていますか | 処方箋の送り先を聞かれている | 診察の終わりぎわ |
| I'm picking up a prescription. | 処方薬を受け取りに来ました | 薬局のカウンターでの第一声 | 薬局に着いたとき |
| Is it ready yet? | もう準備できていますか | できあがっているかの確認 | 早めに着いてしまったとき |
| How long will it take? | どれくらいかかりますか | 待ち時間の確認 | まだ準備中と言われたとき |
| Do you have any questions for the pharmacist? | 薬剤師に質問はありますか | 相談したいことがあるかの確認 | 受け取りの直前 |
受け取りのときに「Do you have any questions for the pharmacist?」と聞かれたら、無ければ「No, I'm good, thank you.」で問題ありません。
refill という単語を知っておく
refill は「もう一度満たす」という意味で、同じ処方の薬をもう一度出してもらうことを指します。
飲食店でドリンクのおかわりを refill と言うのと、まったく同じ発想です。
「I need a refill.」で「同じ薬をもう一度お願いします」という意味になります。
refill の回数や可否は処方の内容で決まるので、勝手に判断せず「Can I get a refill on this?」と聞くのが確実です。
薬のラベルには refill の残り回数が印字されていることが多く、そこを見れば自分でも確かめられます。
緊急のときにアメリカの病院で使う英語|最初の一言だけは暗記しておく
本当に急を要する場面では、文法を組み立てる余裕はありません。
だからこそ、緊急時の英語は「考えずに口から出る一言」として丸ごと覚えておく価値があります。
ER の受付では、症状を説明する前に、まず何が起きたかを短く言います。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| I need help. | 助けが必要です | いちばん短く強い一言 | とにかく人を呼びたいとき |
| This is an emergency. | これは緊急です | 順番を待つ状況ではないと伝える | ER の受付で |
| He's not breathing. | 彼は呼吸していません | 状態をそのまま言う | 連れの人に異変があるとき |
| I'm having chest pain. | 胸に痛みがあります | 今まさに起きていると伝える現在進行形 | 症状が進行中のとき |
| I think I broke my arm. | 腕を折ったと思います | 自己判断だと分かる形で伝える | 断定を避けたいとき |
「I'm having …」という現在進行形は、「今この瞬間に起きている」という切迫感を伝える形なので、緊急の場面ではこちらを使います。
「I have chest pain.」だと、日常的に抱えている症状のようにも受け取られます。
triage という言葉が出てくる
ER では triage という単語をよく耳にします。
重い人から順に診るために、最初に状態を見分ける手続きのことです。
「The nurse will triage you first.」と言われたら、先に看護師が状態を確認するという意味になります。
到着順ではなく重さの順で呼ばれるので、待たされていること自体は珍しくありません。
状態が変わったときは、我慢せず「My symptoms are getting worse.」と伝えてください。
アメリカ人パートナーに当ててみた|病院の英語で日本人が事故るところ
ここまでの表現を、アメリカ人のパートナーに一つずつ当てて確かめました。
そのなかで「それは言わないほうがいい」と指摘が入ったものを、正直に共有しておきます。
事故①|reservation を使ってしまう
「I'd like to make a reservation.」と病院に電話すると、相手が一瞬止まるそうです。
意味は推測してもらえますが、レストランに電話したような響きになります。
通じるかどうかと、自然かどうかは別の話で、ここは appointment に直しておく価値があります。
事故②|痛みを全部 pain で押し通す
「I have a pain.」とだけ言われても、相手は次の質問を重ねるしかありません。
形容詞が1つ入るだけで、やりとりの往復が減ると言われました。
sharp か dull か、この二択を足すだけで伝わり方が変わるそうです。
事故③|数字の質問に「わからない」と返す
1から10で答える質問に「I don't know.」と返すのは、いちばんもったいない返しだと言われました。
正確な数字を求められているわけではなく、目安が知りたいだけだからです。
分からなくても「Maybe a five?」と語尾を上げて返せば、それで会話は前に進みます。
事故④|遠慮して聞き返さない
これがいちばん多い、と言われたものです。
分かったふりをしてうなずくと、相手は伝わったと判断して先へ進んでしまいます。
医療の場面で分かったふりをするのは、英語の問題ではなく安全の問題になります。
「Sorry, could you say that again?」を何度使っても、失礼にはなりません。
アメリカの病院の英語を口に定着させる練習のしかた
フレーズを読んで理解するのと、その場で口から出るのは、まったく別の能力です。
病院の英語は、使う機会が少ないぶん、本番までに一度も口に出さないまま迎えてしまいがちです。
だからこそ、事前に声に出して通しておく価値があります。
動線どおりに1人2役で通す
おすすめは、予約から薬局までを一気に、受付役と自分役の2役で声に出すやり方です。
- ✓ 電話で appointment を取る(new patient と名乗るところまで)
- ✓ 受付で ID と insurance card を出し、生年月日を言う
- ✓ 問診で症状を4つの軸で説明する
- ✓ 1から10の質問に条件付きで数字を2つ答える
- ✓ 診察で質問を1つして、書いてもらうよう頼む
- ✓ 薬局で prescription を受け取り、refill を確認する
通すのにかかるのは数分なので、寝る前に1回通すだけでも十分に意味があります。
AIを相手役にして詰まったところだけ潰す
1人2役だと、相手役の英語が自分の知っている範囲から出ないという弱点があります。
そこで役に立つのが、AIに受付や医師の役をやってもらう練習です。
「You're a front desk receptionist at a clinic in California. I'm checking in.」のように役と場面を指定すれば、そこから会話が始まります。
自分が想定していなかった質問が飛んでくるので、本番で固まる箇所を先に見つけられます。
詰まったところだけを書き出して、翌日もう一度同じ場面を回せば、穴は順番に埋まっていきます。
大事なのは、上手にやることではなく、詰まった場所を記録に残すことです。
AIを英語学習にどう組み込むかを、手を動かしながら学べる無料のウェブセミナーもあります。
まとめ|アメリカの病院で使う英語は動線ごとに持っておく
最後に、この記事の要点をまとめておきます。
- ✓ アメリカの受診は「予約・受付・問診・診察・薬局」の5段階で、毎回同じ順に進む
- ✓ 行き先は primary care physician・urgent care・ER の3つに分かれ、英語の呼び名がはっきり違う
- ✓ 予約は reservation ではなく appointment、初診なら「I'm a new patient.」を最初に言う
- ✓ 受付で聞かれるのは insurance card・date of birth・reason for the visit・copay のほぼ4つ
- ✓ 生年月日は「月・日・年」の順で、年号は2桁ずつ区切って読む
- ✓ 症状は「どこが・どんなふうに・いつから・どれくらい」の4軸で組み立てる
- ✓ 痛みは sharp / dull / throbbing の形容詞を足すと一気に伝わる
- ✓ 「On a scale of 1 to 10」には「It's about a six.」の形で答える
英語で困るのは語彙が足りないからではなく、次に何が来るかを知らないからです。
順番さえ頭に入っていれば、知らない単語が出てきても落ち着いて聞き返せます。
そして、分からないことは分からないと言ってよい場所が、病院です。
そのための一言を持っておくことが、どんな単語帳よりも役に立ちます。

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