髪を切りたいだけなのに、美容院の予約を取るところで手が止まってしまう。
アメリカで暮らしはじめて、私がいちばん長いあいだ先延ばしにしていたのが、まさにこれでした。
スーパーやカフェの英語は、うまく言えなくても、その場かぎりで終わります。
でも美容院はちがって、伝え間違えると、その結果を数ヶ月ぶんの髪型として持ち歩くことになります。
美容院の英語がこわいのは、語彙が難しいからではなく「やり直しがきかない」からです。
そして、やり直しがきかない場面こそ、事前に文を用意しておく価値がいちばん高い場面でもあります。
この記事では、美容院で実際に口から出す英語だけを、順番どおりに並べます。
先に結論を書くと、美容院の英語は「予約する」「何をしてほしいか言う」「確認する」の三つしかありません。
この三つの山さえ越えれば、あとは世間話をかわすだけです。
この記事で分かること(美容院 英語の全体像)
- ✓ 美容院の予約を英語で取るときの、そのまま使える言い方
- ✓ 「どうしてほしいか」を英語で言うときの、たった四つの動詞
- ✓ 長さの伝え方でいちばん事故が起きる理由と、その回避のしかた
- ✓ 色・パーマ・縮毛矯正を英語でどう注文するか
- ✓ 施術中に話しかけられたときの、角を立てないかわし方
- ✓ 仕上がりが好みと違ったときに、角を立てずに直してもらう英語
私はアメリカ在住の英語コーチで、日常の場面で本当に使われる言い方だけを拾って記事にしています。
この記事に出てくる文は、アメリカ人のパートナーに一つずつ当てて、実際に自然に聞こえるかを確かめました。
教科書で見たことがあっても、現地の美容院ではあまり聞かない言い方は、この記事には入れていません。
美容院の英語は「予約・注文・確認」の3つだけ覚えればいい
美容院で使う英語を、いきなり単語帳のように覚えようとすると、必ず途中で止まります。
髪型の名前は無限にあり、全部を覚えても結局その場では出てこないからです。
覚えるべきなのは単語ではなく、会話が進む「順番」です。
アメリカの美容院で起きることは、店が変わってもほとんど同じ順番で流れます。
美容院で英語が必要になる場面は5つしかない
| 場面 | やること | 難しさ |
|---|---|---|
| 予約 | 電話かウェブで日時と担当者を決める | 言う内容が決まっているので実はいちばん簡単 |
| 受付 | 名前を言って座って待つ | ほぼ名前を言うだけ |
| 相談 | 何をしてほしいかを伝える | ここが本番。長さと色の説明が山場 |
| 施術中 | 水温や力加減、世間話に応じる | 短い返事だけで足りる |
| 会計 | 支払いとチップ | 手順は毎回同じなので二回目から楽になる |
この表を見て分かるとおり、五つのうち本気で準備が要るのは「相談」の一場面だけです。
ほかの四つは、決まり文句を三つずつ持っておけば、その場で考える必要がありません。
つまり、美容院の英語の準備とは「相談の場面の文を先に作っておくこと」とほぼ同じ意味です。
美容院そのものを英語で何と呼ぶか
そもそも「美容院」を英語で何と言うかで、最初につまずく人が多いところです。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| hair salon | 髪のサロン | カットもカラーもやる、日本の美容院にいちばん近い店 | 迷ったらこれを使えばまず通じる |
| salon | サロン | 文脈で髪の店を指す。ネイルやスパも含む広い言い方 | 会話の中で一度 hair salon と言った後の言い換えに |
| barbershop | 床屋 | 主に短い髪を刈る店。バリカン中心でカラーは扱わないことが多い | 短く刈りたいときだけ |
| stylist | スタイリスト | 髪を切る人。日本語の「美容師さん」にあたる | 担当者を指名するとき |
| hairdresser | 髪をととのえる人 | stylist とほぼ同じ意味で使われる | stylist が出てこないときの代わり |
beauty salon という言い方も英語として存在しますが、髪を切る店を指すときは hair salon のほうがはるかに自然です。
日本語の「美容院」をそのまま直訳して beauty parlor と言うと、かなり古い響きになります。
私のパートナーに当てたところ、beauty parlor は「おばあちゃんが使う言葉」という反応が返ってきました。
迷ったら hair salon、人を指すときは stylist。この二語だけで会話は成立します。
美容院の予約を英語で取る:appointment・walk-in・指名
アメリカの美容院は、予約を前提にしている店がとても多いです。
ふらっと入って切ってもらえる店もありますが、それは店の側が walk-in を受けると決めている場合だけです。
まず覚えたいのは appointment と walk-in という、この二つの言葉の対比です。
予約するときの英語フレーズ
| 英文 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| I'd like to make an appointment for a haircut. | カットの予約を取りたいです | 予約を取りたいときの、いちばん標準的な言い方 | 電話をかけて最初に言う一文 |
| Do you take walk-ins? | 飛び込みは受け付けていますか | 予約なしで今すぐ切ってもらえるかを聞いている | 店の前に立って中に入った直後 |
| Do you have anything available this Saturday? | 今週の土曜に空きはありますか | 希望日の空きを聞く言い方 | 日にちを指定したいとき |
| What times do you have open on Friday? | 金曜は何時が空いていますか | 時間帯の選択肢を出してもらう | 日にちは決まっていて時間を決めたいとき |
| How long does a haircut usually take? | カットはふつうどのくらいかかりますか | 所要時間の確認 | 予定を組むとき |
電話での予約が不安なら、店のサイトから予約フォームを使う手もあります。
ただ、フォームで取れる枠は限られていることがあり、電話のほうが融通がきく店もあります。
電話の英語が不安なときは、先に自分の言う文を紙に三行書いてから、番号を押すのがいちばん確実です。
相手が何を返してくるかは、だいたい「名前」「日時」「担当者」の三つに決まっているからです。
担当者を指名する英語
日本の美容院と同じで、アメリカでも担当者の指名はごく普通のことです。
一度いい人に当たったら、次からは名前を言って取るほうが、説明の手間が大幅に減ります。
| 英文 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| Is Maya available on Thursday? | マヤは木曜に空いていますか | 特定のスタイリストを指名している | 前に切ってもらった人をまた頼みたいとき |
| I usually see Maya. | いつもマヤに見てもらっています | 常連の担当者がいることを伝える定番表現 | 受付で名前を告げるとき |
| Anyone who's available is fine. | 空いている人なら誰でもいいです | 指名なしでいいと伝える | 初めての店で早く切りたいとき |
| Could you recommend someone for curly hair? | くせ毛が得意な人を薦めてもらえますか | 髪質に合う担当者を紹介してもらう | 髪質に不安があるとき |
see は「会う」ではなく「診てもらう・担当してもらう」の意味で、美容院でも病院でも同じように使われます。
I usually see Maya は、直訳の「いつもマヤに会います」からは想像しにくい、とても便利な言い方です。
この一文を覚えておくだけで、受付での会話が一往復ぶん短くなります。
予約を変える・取り消す英語
- ✓ I need to reschedule my appointment.(予約を取り直したいです)
- ✓ I have to cancel my appointment for tomorrow.(明日の予約をキャンセルしなければなりません)
- ✓ I'm running about fifteen minutes late.(十五分ほど遅れています)
- ✓ Is there a cancellation policy?(キャンセルの規定はありますか)
直前のキャンセルに料金がかかる店はあるので、予約のときに規定を一度聞いておくと安心です。
規定は店ごとに違うので、私はここで金額の目安を書くことはしません。
実際に自分が行く店で確認するのが、いちばん確かです。
美容院で「何をしてほしいか」を英語で伝える基本動詞
ここからが本番です。
鏡の前に座り、後ろからスタイリストが「今日はどうしますか」と聞いてくる、あの瞬間の話です。
相手の第一声は、ほぼ What are we doing today? か So, what are you thinking? のどちらかです。
この二つを聞き取れさえすれば、あとはこちらが用意した文を読み上げるだけになります。
覚えるべき動詞は4つだけ
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| trim | 切りそろえる | 長さはほぼ変えず、傷んだ先だけを整える | 今の髪型を保ちたいとき |
| cut | 切る | 長さを変える、いわゆるカット | 短くしたいとき |
| layers | 層 | 段を入れて動きを出すこと | 重たく見えるのを軽くしたいとき |
| thin it out | すく | 毛量を減らして薄くすること | 量が多くて広がるとき |
この四語を取り違えると、想像とまったく違う仕上がりになります。
とくに危ないのが trim と cut の混同です。
「ちょっと切りたい」を Can you cut it? と言うと、相手は長さを変えるつもりで鋏を入れます。
同じ意図なら Just a trim, please. のほうが、はるかに正確に伝わります。
thin it out も要注意で、毛量を減らすという意味なので、量を残したい人が言ってはいけない言葉です。
前髪(bangs)まわりの英語
前髪は bangs と言い、ほぼ必ず複数形で使います。
イギリス英語では fringe と言いますが、アメリカでは bangs のほうが通りがよいです。
| 英文 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| Could you trim my bangs? | 前髪を切りそろえてもらえますか | 前髪だけ短く整えてほしい | 前髪が目にかかってきたとき |
| I want to grow out my bangs. | 前髪を伸ばしたいです | 前髪をやめて長さになじませたい | 前髪をなくしていく過程にあるとき |
| Can you keep them above my eyebrows? | 眉より上に保てますか | 前髪の長さの基準を眉で示している | 長さを体の部位で指定するとき |
| Side-swept, not straight across. | 横に流す形で、まっすぐ横一直線ではなく | 前髪の形の指定 | ぱっつんを避けたいとき |
前髪の長さは「眉」「目」「頬骨」のような体の部位で言うと、数字よりずっと正確に伝わります。
above my eyebrows、right at my eyes、down to my cheekbones の三つが、実際によく使われる言い方です。
傷んだ毛先・枝毛をどう言うか
枝毛は split ends と言い、これも複数形で使います。
I just want to get rid of the split ends. と言えば、痛んだ先だけ落としてほしいという意図が正確に伝わります。
髪が傷んでいる状態そのものは damaged、乾燥しているなら dry、広がるなら frizzy です。
frizzy は日本語の「広がる・うねる」に近い言葉で、湿気の多い季節の相談でとてもよく登場します。
美容院の英語で最大の事故:長さの伝え方
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
アメリカの美容院で「2センチ切ってください」は、ほぼ通じません。
理由は単純で、アメリカの日常の長さの単位がセンチではなくインチだからです。
スタイリストがセンチという語を知らないわけではありません。
ただ、鋏を持った手が「2センチ」を身体感覚として持っていないので、いったん頭で変換することになります。
変換が入る指示は、変換の誤差ぶんだけ事故が起きやすくなります。
数字ではなく「指」で示すのがいちばん確実
私が現地でいちばん多く見た伝え方は、言葉ではなく手でした。
親指と人差し指で幅を作って、This much. と言うやり方です。
あるいは、自分の髪を手で持って、切ってほしい位置を指で挟んで見せます。
| 英文 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| Just the ends, please. | 毛先だけお願いします | 長さはほぼ変えず先だけ落としてほしい | 迷ったらこれを言えば大事故は起きない |
| About this much.(指で幅を示しながら) | だいたいこのくらい | 長さを目で見せて合意する | 数字が思いつかないとき |
| Right about here.(髪を持って位置を示しながら) | だいたいここらへんで | 切る位置そのものを見せる | 大きく切るとき |
| An inch off, no more. | 1インチ、それ以上は切らないで | 上限を明示した指示 | 切りすぎが不安なとき |
| Can you show me where you're going to cut? | どこで切るか見せてもらえますか | 鋏を入れる前に位置を確認する | 合意を取りたいとき |
Just the ends, please. は、美容院の英語のなかで最も費用対効果が高い一文です。
この一文には「長さは変えない」という前提がまるごと入っているので、誤解の余地がほとんどありません。
インチの感覚をざっくり持っておく
とはいえ、相手が inch で聞いてくることは普通にあります。
How many inches? と聞かれて固まらないよう、ざっくりした感覚だけ持っておくと落ち着きます。
| 言われる表現 | およその感覚 | 実際どういう仕上がりか |
|---|---|---|
| half an inch | 指の第一関節より少し短いくらい | 見た目はほとんど変わらない。整える範囲 |
| an inch | 親指の幅くらい | 毛先がそろって軽くなったと分かる程度 |
| two inches | 指二本ぶんくらい | 鏡を見て「切ったな」と分かる変化 |
| a few inches | 手のひらの幅に近い | 髪型の印象が変わるレベル |
1インチはおよそ2.5センチなので、日本の感覚で「2センチ」と思っていたなら an inch よりやや短めです。
ただ、この換算を暗算しようとすると、かえって会話が止まります。
数字で迷ったら、指で示して Is that about an inch? と逆に聞いてしまうほうが速いです。
相手はプロなので、目で見せられた幅を数字に翻訳するのは向こうの得意分野です。
写真を見せるのは「手抜き」ではなく正攻法
英語で説明しきれないときに、写真を見せるのは逃げではありません。
現地の人も普通に写真を見せますし、スタイリストの側も写真があるほうが助かります。
- ✓ I brought a picture. Something like this.(写真を持ってきました。こんな感じです)
- ✓ I like the length, but not the color.(長さは好きですが、色はこの通りでなくていいです)
- ✓ Do you think this would work with my hair?(私の髪でこれはできそうですか)
- ✓ What would you suggest?(どうするのがいいと思いますか)
写真を見せるときは「どこが好きなのか」を一言添えると、仕上がりの精度が大きく上がります。
長さが好きなのか、色が好きなのか、動きが好きなのかで、やることがまったく変わるからです。
色を英語で頼む:美容院のカラー用語をそろえる
カラーは、カット以上に言葉の正確さが効く場面です。
色は一度入れると簡単には戻せないので、注文の言葉が曖昧だと後戻りが大変になります。
カラーの基本メニューを英語で
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| highlights | ハイライト | 部分的に明るい筋を入れる | 全体を染めずに明るく見せたいとき |
| lowlights | ローライト | 部分的に暗い筋を入れて深みを出す | 明るくしすぎた髪に奥行きを戻すとき |
| balayage | 掃くように塗る(フランス語由来) | 根元は自然に、毛先に向かって明るくする手法 | 伸びてきても境目が目立ちにくくしたいとき |
| root touch-up | 根元の手直し | 伸びてきた根元だけを染める | 前回の色を保ちたいとき |
| all-over color | 全体の色 | 頭全体を一色に染める | 色をがらっと変えたいとき |
| gloss / toner | つや出し・色味の調整 | 色味を整えてつやを足す仕上げ | 色が抜けてきたとき |
balayage は英語の単語に見えてフランス語由来なので、発音は「バラヤージュ」に近い形になります。
カタカナで「バレイアージュ」と覚えていると、口に出したときに通じないことがあります。
明るく・暗くを英語でどう言うか
ここは日本語の発想のまま英語にすると、少し不自然になるところです。
| 英文 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| I want to go lighter. | もっと明るくいきたい | 今より明るい色にしたい | 明るくしたいときの標準表現 |
| I want to go darker. | もっと暗くいきたい | 今より暗い色にしたい | 落ち着かせたいとき |
| Just a couple of shades lighter. | 二段階ほど明るく | 明るさの幅を段階で指定している | やりすぎを避けたいとき |
| I want something more ashy. | もっとアッシュっぽく | 赤みを抑えた灰色寄りの色味にしたい | 色味の方向を指定するとき |
| I don't want it to look brassy. | ブラッシーに見えるのは避けたい | 抜けたときの黄色・オレンジっぽさを避けたい | 明るくするときに必ず言っておきたい一言 |
brassy は、黒髪を明るくしたときに出てくる真鍮のような黄みを指す言葉で、日本語にぴったりの訳語がありません。
この単語を知らないと「変な色になった」としか言えず、相手は何を直せばいいのか分かりません。
黒髪から明るくする人ほど、brassy と ashy の二語は先に覚えておく価値があります。
go lighter や go darker の go は「〜の状態へ向かう」という意味で、色の話でとてもよく使われます。
make it lighter でも通じますが、go lighter のほうが現地では耳にする頻度が高い印象です。
カラーの前に必ず確認しておきたいこと
- ✓ How long will this take?(どのくらい時間がかかりますか)
- ✓ Will this damage my hair?(髪は傷みますか)
- ✓ How often will I need to come back?(どのくらいの間隔で来る必要がありますか)
- ✓ My hair has been colored before.(前に染めたことがあります)
- ✓ Can we start conservative and go from there?(控えめに始めて、そこから調整できますか)
最後の Can we start conservative? は、迷ったときの保険としてとても優秀な一文です。
控えめに入れておけば、足りなければ足せますが、入れすぎた色は簡単には抜けません。
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パーマ・縮毛矯正は美容院の英語でどう言うか
ここは日本とアメリカで、メニューの呼び名も位置づけも少しずれている領域です。
言葉をそのまま直訳すると、想像と違う施術になることがあります。
| 英語 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| perm | パーマ | 髪にカールをつける施術。permanent の略 | くせをつけたいとき |
| body wave | ゆるい波 | ゆるくボリュームを出すパーマ | 強いカールを避けたいとき |
| keratin treatment | ケラチン処理 | 広がりを抑えてまとまりやすくする施術 | frizzy な髪を落ち着かせたいとき |
| Japanese straightening | 日本式ストレート | 日本の縮毛矯正にあたる、しっかり伸ばす施術 | くせを根本から伸ばしたいとき |
| blowout | ブロー仕上げ | 洗ってブラシとドライヤーで整える仕上げ | その日だけきれいにしたいとき |
縮毛矯正を straight perm と直訳しても、店によってはうまく伝わらないことがあります。
Japanese straightening、あるいは thermal reconditioning という呼び方が使われている店もあります。
そもそも扱っていない店も多いので、予約の電話で Do you do Japanese straightening? と先に聞くのが確実です。
扱っていないメニューを当日に頼んでも、その場では何も進みません。
blowout はアメリカ特有の感覚
日本の美容院では、カットのあとのブローは料金に含まれる流れになっていることが多いです。
アメリカでは blowout がひとつの独立したメニューとして存在し、それだけを頼みに行く人もいます。
結婚式やパーティの前に blowout だけ予約する、という使い方です。
Just a blowout, please. という一文が独立して成立するのが、日本の感覚との一番の違いです。
施術中に使う美容院の英語:水温・力加減・世間話
注文が終われば、山はもう越えています。
ここから先は、短い返事が言えれば十分です。
シャンプー台で聞かれること
| 聞かれる英語 | 意味 | 返し方 |
|---|---|---|
| Is the water temperature okay? | お湯の温度は大丈夫ですか | It's perfect. / A little warmer, please. |
| Let me know if the water gets too hot. | 熱すぎたら言ってください | Will do.(そうします) |
| How's the pressure? | 力加減はどうですか | That's good. / A little softer, please. |
| Any itchy spots? | かゆいところはありますか | No, I'm good. |
I'm good. は「大丈夫です・結構です」の意味で、断るときにも満足を伝えるときにも使える便利な一言です。
日本語の「大丈夫です」と守備範囲がとてもよく似ています。
ただし、温度が熱すぎるときにまで I'm good. と言ってしまうと、そのまま熱いお湯が続きます。
そこは A little cooler, please. とはっきり言ったほうが、お互いにとっていい結果になります。
世間話をかわす英語
アメリカの美容院では、鏡の前でよく話しかけられます。
Any plans for the weekend? のような、答えが重くない話題がほとんどです。
世間話は「答える」よりも「投げ返す」ほうが、はるかに楽に続きます。
- ✓ Nothing special. How about you?(特に予定はないです。あなたは?)
- ✓ Oh, that sounds fun.(それは楽しそうですね)
- ✓ How long have you been doing this?(この仕事はどのくらいされているんですか)
- ✓ Sorry, I'm still learning English.(すみません、まだ英語を勉強中なんです)
- ✓ I think I'll just relax for a bit.(少しゆっくりさせてもらいますね)
静かにしていたいときは、I think I'll just relax for a bit. と穏やかに伝えれば、失礼にはなりません。
黙り込むより、一言そう言ったほうが、その後の空気がずっと楽になります。
相手も仕事なので、話したくない客がいることは理解しています。
終わってからの美容院の英語:直してもらう・お金を払う
鏡を見せられて「どうですか」と聞かれる、あの瞬間の話をします。
ここで反射的に It's great, thank you. と言ってしまい、店を出てから後悔する人がとても多いです。
直してもらえるのは、椅子に座っているあいだだけです。
角を立てずに直してもらう言い方
| 英文 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| Could you take a little more off the sides? | 横をもう少し落としてもらえますか | 部分的に切り足してほしい | 左右が重いと感じたとき |
| Is it possible to make it a bit shorter in the front? | 前をもう少し短くできますか | 前だけ調整したい | 前髪や顔まわりの長さが気になるとき |
| I love the length, I'm just not sure about the bangs. | 長さは気に入っています。前髪だけ少し迷っています | 良い点を先に言ってから、直したい箇所を出す | 角を立てたくないとき |
| Would you mind evening it out a little? | 少し左右をそろえてもらえますか | 左右差を直してほしい | 片側だけ長いと感じたとき |
| Could we go a touch shorter? | ほんの少し短くできますか | ごく小さな調整の依頼 | あと一歩というとき |
言い方の骨格は「まず気に入った点を言う、そのあとに直したい点を一つだけ出す」です。
この順番にすると、相手は否定されたと感じず、手を動かしてくれます。
逆に、直したい点を三つ並べると、そこからのやり取りは急に重たくなります。
一度に出す注文は一つに絞るというのが、私が現地で学んだいちばん実用的な作法です。
チップの考え方
アメリカの美容院では、チップを渡すのが一般的な習慣です。
ただし、相場の割合は地域や店によって差があり、私はここで確かめていない数字を書きません。
数字より大事なのは「誰に渡すか」と「どうやって渡すか」を知っておくことです。
- ✓ カットした人と、シャンプーをしてくれた人が別なら、渡す相手も分かれることがある
- ✓ カードの端末にチップの選択画面が出る店が多く、その場で選べば完結する
- ✓ 現金で手渡しする店もあり、封筒を用意している店もある
- ✓ 分からなければ、受付で聞いてしまうのがいちばん早い
聞くときは Can I add the tip on the card? が、そのまま使える一文です。
Should I tip the person who washed my hair too? と聞けば、シャンプー担当への扱いも教えてもらえます。
習慣を知らないことは恥ずかしいことではなく、聞けば普通に教えてもらえます。
次回につなげる英語
気に入ったなら、その場で次の予約を取ってしまうのがいちばん賢いやり方です。
Can I book my next appointment now? と言えば、受付で手続きしてもらえます。
When should I come back? と聞けば、髪の状態に合わせた間隔を教えてもらえます。
二回目からは説明の英語がほとんど要らなくなるので、同じ人に通うのが結果的にいちばん楽です。
ここで事故る:美容院の英語をネイティブに当てて確かめた
この記事に載せた文は、アメリカ人のパートナーに一つずつ読み上げて反応を見ました。
そのなかで、私自身が思い込みで間違えていたところがいくつも出てきました。
教科書的には正しくても、美容院という場面では不自然になる言い方がある、というのが最大の学びでした。
当ててみて分かった、ずれていた4つ
| 私が言おうとしていた英語 | 返ってきた反応 | どう直したか |
|---|---|---|
| Please cut my hair two centimeters. | センチで言われても手が分からない、という反応 | Just the ends, please. に変えて、指で幅を示す形に |
| Please make my hair thin. | 髪が細い(thin hair)という別の意味に取られやすい | Can you thin it out a little? と動詞句で言う形に |
| I want a straight perm. | 意味は推測できるが、店で使う名前とは違う | Japanese straightening と聞く形に |
| Please cut my front hair. | front hair という言い方はしない | bangs を使って Could you trim my bangs? に |
とくに thin という語は、形容詞で使うと「髪が細い・薄い」という状態を指してしまいます。
「毛量を減らしてほしい」という意図なら、thin it out という句のかたちで言う必要があります。
一語の違いですが、伝わる内容は正反対に近いところまで離れます。
front hair も、日本語の「前髪」を素直に置き換えた結果に見えますが、英語ではそう言いません。
直訳が通じないところこそ、事前に確かめておく価値がいちばん大きいところです。
言えなかったときの最後の一手
それでも、当日その場で言葉が出てこないことはあります。
そのときに使える一文が、Can I show you instead? です。
「言うかわりに見せてもいいですか」という意味で、写真でも手振りでも、そのまま見せる流れに持っていけます。
英語が出てこないことを謝るより、別の伝え方に切り替えるほうが、結果として仕上がりがよくなります。
練習は当日ではなく前日にやる
美容院の英語は、使う場面が事前に分かっているという、とても珍しい種類の英語です。
だから、前日に三分だけ声に出して読んでおくだけで、当日の出方がまるで違います。
私は予約の前日に、自分が言う三文だけをスマホのメモに書いて、口に出して読んでいます。
読むのは「注文の文」だけで十分で、相手の返しまで用意する必要はありません。
AIの相手に美容院の店員役をしてもらい、自分の注文が通じるかを試すのも、練習としては手軽です。
日本の美容院とアメリカのサロンは、英語以前に違う
言葉の準備ができていても、流れそのものが違うと戸惑います。
私が最初に行ったとき、いちばん驚いたのは、事前のカウンセリングがとても短かったことでした。
| 項目 | 日本でよくある形 | アメリカで私が見た形 |
|---|---|---|
| カウンセリング | 席に着く前に時間をかけて相談することが多い | 鏡の前に座ってから、その場で短く決まることが多い |
| シャンプー | 切る前に洗うのが基本という店が多い | 乾いたまま切り、あとで洗う流れの店もある |
| 担当者 | アシスタントが分業で入ることが多い | 一人が最初から最後まで担当することが多い |
| 会計 | 提示された金額を支払う | 支払いにチップの選択が加わる |
| 時間 | 予約時間どおりに進むことが多い | 前の客が押していることもある |
カウンセリングが短いということは、こちらから言わないと何も決まらないということです。
日本の美容院のように、こちらの曖昧な希望を汲み取って形にしてもらう、という期待はしないほうが安全です。
これは技術の差ではなく、店側の前提の違いです。
「言った内容がそのまま形になる」と考えると、注文の文を用意しておく意味がよく分かります。
髪質の違いを一言添えると話が早い
日本人の髪は、太くて直毛で密度が高いことが多く、現地のスタイリストにとっては扱い慣れていない場合があります。
だから、髪質を先に一言伝えておくと、仕上がりの精度が上がります。
- ✓ My hair is pretty thick.(髪の量が多いです)
- ✓ It's very straight and it doesn't hold curl.(直毛でカールが持ちません)
- ✓ It gets frizzy when it's humid.(湿気があると広がります)
- ✓ Have you worked with Asian hair before?(アジア系の髪を扱ったことはありますか)
最後の質問は失礼ではなく、むしろ相手にとってもありがたい確認です。
経験がある人なら自信を持ってそう答えますし、無ければ得意な同僚を紹介してくれることもあります。
美容院の英語を「一枚のメモ」にまとめて持っていく
ここまでの内容を、当日そのまま使える形に落とします。
覚えるのではなく、スマホのメモに貼って、見ながら言えばいいという前提で作ります。
| 順番 | 言う英語 | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | Hi, I have an appointment at two, under Nekorin. | 受付で名前を告げる |
| 2 | I'd like a trim, just the ends. | やってほしいことを最初に言い切る |
| 3 | About this much.(指で示す) | 長さを目で合意する |
| 4 | Please keep the length, just get rid of the split ends. | 長さを守る条件を明示する |
| 5 | Could you show me where you're going to cut? | 鋏を入れる前に位置を確認する |
| 6 | I love it. Could we go a touch shorter in the front? | 仕上がりの微調整を一つだけ頼む |
| 7 | Can I add the tip on the card? | 支払いを済ませる |
この七つを順番どおりに言えば、美容院で困る場面はほとんど残りません。
二番目の「やってほしいことを最初に言い切る」が、いちばん大きな差になります。
先に結論を言ってしまえば、そのあとの会話はすべて、その結論の細部を詰める作業になるからです。
逆に、説明から入って結論を後回しにすると、相手は途中で自分の解釈で埋めはじめます。
これは美容院にかぎらず、英語で何かを頼むときの共通の型です。
AIを英語学習にどう組み込むかを、手を動かしながら学べる無料のウェブセミナーもあります。
まとめ:美容院の英語はこの順番で使えば足りる
最後に、この記事の要点をまとめます。
- ✓ 美容院は hair salon、担当者は stylist。この二語で会話は始められる
- ✓ 予約は appointment、飛び込みは walk-in。常連なら I usually see Maya. が使える
- ✓ 注文の動詞は trim / cut / layers / thin it out の四つで足りる
- ✓ 長さはセンチで言わない。Just the ends, please. と指で示すのがいちばん確実
- ✓ 前髪は bangs。長さは眉や目など体の部位で指定する
- ✓ 色は go lighter / go darker に ashy と brassy を足せば方向が伝わる
- ✓ 縮毛矯正は Japanese straightening。扱っているかを予約時に聞く
- ✓ 直してほしいときは、気に入った点を先に言い、直す点は一つだけ出す
美容院の英語は、覚える量よりも「言う順番を決めておくこと」で決まります。
順番が決まっていれば、単語が一つ出てこなくても、手振りと写真で埋められます。
そして一度その店に通い出せば、二回目からは説明がほとんど要らなくなります。
最初の一回だけ、紙に三行書いて持っていく。それが、美容院の英語でいちばん効く準備です。

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