AI英会話のアプリを入れては消し、入れては消し、を三回くらい繰り返していませんか。
最初の三日はちゃんと開くのに、一週間たつとホーム画面の二ページ目に追いやられている。
アメリカに住んでいて英語コーチをしている私のところにも、この相談がいちばん多く届きます。
そして話を聞いていくと、原因はアプリの出来ではなく「そのアプリが自分の目的を知らないこと」にあることがほとんどです。
結論から言うと、アプリを探すのをやめて、自分専用の英語コーチAIを自分で組んだほうが早いです。
作り方はまったく難しくありません。
プログラミングもいらないし、有料のツールを新しく買う必要もありません。
やることは、日本語で六つの設定を書いて、会話の最初に貼るだけです。
この記事は、既製のアプリを紹介したり比べたりする記事ではありません。
「自分で組む」ほうの話だけを、手順の順番どおりに書いていきます。
この記事で分かること
- ✓ 英語コーチAIの作り方を、三ステップに分けた手順で
- ✓ コーチAIに必ず持たせる六つの設定(これが設計図になります)
- ✓ そのままコピペできる指示文を、初級・中級・伸び悩みの三本
- ✓ 毎回設定を忘れられないように、記憶を持たせる三つのやり方
- ✓ 月曜から金曜まで十分ずつ、土曜に振り返り、日曜は休む一週間の回し方
- ✓ ここで事故る、という失敗の型を三つと、その場で直す一行
英語コーチAIの作り方は「六つの設定を書いて渡す」だけ
英語コーチAIの作り方は、六つの設定を日本語で書いて、会話のいちばん最初に貼る、これだけです。
検索してここにたどり着いた方がいちばん知りたいのはそこだと思うので、先に答えを置きました。
新しいサービスに登録する必要も、課金の判断をする必要もありません。
いま自分が使っている対話型のAIが一つあれば、それで足ります。
手順は三ステップしかない
- 六つの設定を、日本語で書き出す(十分ほど)
- その文章を、会話の最初に丸ごと貼る
- 毎日それを呼び出せるように、置き場所を決める
三つ目の「置き場所を決める」を飛ばす人がとても多いです。
ここを飛ばすと、翌日には昨日どう書いたか思い出せなくなって、結局また一から書き直すことになります。
続かない原因の半分は、やる気ではなく「昨日の設定が見つからないこと」です。
記憶の持たせ方は後半でまるまる一節を使って説明します。
なぜ「六つ」なのか
人に英語を教えるとき、私が最初の面談で必ず聞くことが、だいたい六つあります。
いまどのくらい話せるか、何のために話したいか、一日にどれだけ時間が取れるか、どこを直してほしいか、逆に何を直されたくないか、そして毎回どう進めたいか。
この六つが分かると、その人に合う進め方はだいたい決まります。
つまりコーチAIに渡すべき情報は、人間のコーチが最初に聞く六つと同じでいい、ということです。
逆に言うと、この六つを渡していないAIは、面談をしていないコーチと同じ状態です。
だから当たり障りのない練習しか出てこないし、こちらも物足りなくなってやめてしまいます。
かかる時間は最初の十分だけ
六つの設定を書くのにかかるのは、初回の十分ほどです。
二回目からは貼るだけなので、五秒で終わります。
最初の十分をけちると、そのあとの毎日が全部うすい練習になります。
ここだけは腰を据えて書いてください。
既製のアプリが続かない人ほど、英語コーチAIを自分で組んだほうがいい
先に言っておくと、既製のAI英会話アプリが悪いという話ではありません。
よくできているものは本当によくできていますし、何も考えずに開けば練習が始まるという手軽さは、自分で組むやり方には出せない強みです。
ただ、続かない人には共通した理由があります。
アプリは「みんな」に合わせて作られていて、「あなた」に合わせて作られてはいない、という一点です。
噛み合わない理由その一・目的がずれている
たとえば、海外旅行の会話が入り口になっているアプリは多いです。
でも本当にやりたいのが「アメリカに住んでいる親戚と電話で雑談すること」だったら、空港のやり取りを何度やっても手応えは出ません。
目的がずれたまま量をこなすと、やってもやっても近づかない感じだけが残ります。
自分で組むと、最初の一行目に「私がやりたいのはこれです」と書けます。
噛み合わない理由その二・レベルの段差がきつい
アプリのレベル設定は、たいてい三段階か四段階です。
その段の間にいる人にとっては、下は退屈で上は無理、という状態になります。
自分で組むと、段ではなく「私が知っている単語の範囲で話して」という書き方ができます。
これは段階の刻みよりずっと細かいところまで届きます。
噛み合わない理由その三・生活のかたちが違う
一回二十五分の枠を前提にしているものは、十分しか取れない人の生活には乗りません。
逆に、すきま時間の一分を前提にしたものは、まとまった時間が取れる週末に物足りなくなります。
自分で組むと、「平日は十分、土曜は三十分」と最初に宣言できます。
時間の申告をしておくと、コーチAIは出す課題の量をその中に収めようとします。
ここが自分で組むいちばん地味で、いちばん効く利点だと私は思っています。
英語コーチAIに持たせる六つの設定(これが設計図)
ここが記事の心臓部です。
下の表の六行を埋めれば、それがそのまま英語コーチAIの設計図になります。
| 番号 | 設定する項目 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| ① | 私のレベル | 中学までの文法は分かる/短い文なら作れる/聞き取りは半分くらい |
| ② | 目的 | 夫の家族と電話で五分雑談できるようになりたい |
| ③ | 使える時間 | 平日は十分、土曜だけ三十分 |
| ④ | 直してほしい観点 | 通じるかどうか/不自然に固くないか |
| ⑤ | 直してほしくないもの | 細かい冠詞、発音記号、上級者向けの言い換え |
| ⑥ | 毎回の進め方 | 三往復だけ会話→まとめて直す→今日の一文を一つだけ渡す |
六つのうち、いちばん飛ばされやすいのが⑤の「直してほしくないもの」です。
ここを書かないと、AIは親切心で全部直してきます。
赤字だらけの答案が毎日返ってくると、人はだいたい一週間で開かなくなります。
①私のレベルは、点数ではなく「できること」で書く
レベルを伝えるとき、試験の名前や点数で書く人が多いのですが、私はおすすめしません。
同じ点数でも、話せる人と一言も出ない人がいるからです。
そのかわり、できることとできないことを三行で書いてください。
- ✓ 読むのはゆっくりなら分かる/聞くと半分も残らない
- ✓ 自分から話すと、単語を並べて終わってしまう
- ✓ 過去形は作れるが、現在完了は出てこない
この書き方だと、コーチAIが出してくる英文の難しさが、初日からかなり近いところに来ます。
②目的は、場面まで下ろして書く
「日常会話ができるようになりたい」は、目的としては広すぎます。
広い目的を渡すと、返ってくる練習も広く浅くなります。
「近所のカフェで注文して、店員さんの世間話に一往復だけ返す」くらいまで下ろすと、急に具体的になります。
目的は「場面・相手・時間の長さ」の三つが入っていれば合格です。
③使える時間は、多めではなく少なめに申告する
ここは見栄を張らないほうがうまくいきます。
三十分と書くと三十分ぶんの課題が出てきて、できなかった日が「失敗した日」になります。
十分と書いておいて、余裕がある日に自分で延ばすほうが、気持ちの上でずっと楽です。
④⑤は、セットで一行ずつ書く
直してほしい観点と、直してほしくないものは、必ずセットで書いてください。
片方だけだと、AIはもう片方を自分で決めてしまいます。
| 段階 | ④直してほしい観点 | ⑤直してほしくないもの |
|---|---|---|
| 始めたばかり | 通じるかどうかだけ | 冠詞、前置詞、語順の細かい癖 |
| 少し慣れた | 通じるか+固すぎないか | 上級者向けの言い換え、発音記号 |
| 伸び悩み | 自然さ、言い回しの幅 | 初歩の文法の指摘(もう分かっている) |
この表のどの行が自分かを決めるだけで、指示文の半分は書けたようなものです。
⑥毎回の進め方は、回数で縛る
「会話しましょう」とだけ言うと、いつまでも終わりません。
三往復で切る、質問は一度に一つだけ、最後に今日の一文をくれる、というふうに回数で縛ります。
終わりが決まっている練習は、疲れている日でも開けます。
そのままコピペできる英語コーチAIの指示文【初級】
ここからは、実際に貼って使える指示文を三本置きます。
山括弧でくくったところだけ、自分の言葉に書き換えてください。
書き換えずにそのまま貼っても動きますが、②の目的だけは自分のものに変えないと意味がありません。
あなたは私の英語コーチです。以下の条件を最後まで守ってください。
①私のレベル:中学の文法までは分かります。短い文なら作れますが、聞き取りは半分くらいです。
②目的:〈近所のカフェで注文して、店員さんの世間話に一往復だけ返せるようになりたい〉
③使える時間:一回十分です。長くなったら途中で切ってください。
④直してほしい観点:通じるかどうかだけを見てください。
⑤直してほしくないもの:冠詞、前置詞、語順の細かい癖は指摘しないでください。
⑥毎回の進め方:
1. あなたが英語で一言だけ話しかける(私が知っている語だけを使う)
2. 私が英語で返す
3. これを三往復で終える
4. 三往復が終わってから、まとめて直す
5. 最後に「今日の一文」を一つだけ渡す
守ってほしいこと:
・褒めるのは一行までにしてください。
・私が知らなそうな単語を使うときは、そのつど日本語を添えてください。
・私が日本語で返したら、その日本語を英語でどう言うかを教えてから続けてください。
・一度にたくさん質問しないでください。質問は一つずつです。
準備ができたら、いきなり一言目の英語から始めてください。
初級で効いているのは「三往復で切る」の一行
この指示文でいちばん効いているのは、長さでも丁寧さでもなく「三往復で終える」の一行です。
始めたばかりの時期は、英語で何かを返すこと自体に体力を使います。
そこへ十往復の会話を持ってくると、三日目には開くのが重くなります。
短く終わって物足りないくらいが、初級のちょうどいい長さです。
「私が知っている語だけを使う」は必ず入れる
この一行を入れないと、AIは平気で難しい語を混ぜてきます。
本人はやさしく書いているつもりなので、こちらから縛らないと変わりません。
それでも難しい語が出てきたら、その場で「いまの単語は知りません、もっと簡単な言い方にしてください」と日本語で返してください。
途中で条件を足せるのが、自分で組むやり方のいちばんの強みです。
そのままコピペできる英語コーチAIの指示文【中級】
言いたいことは一応言える、でも毎回おなじ言い方になってしまう。
この段階の人は、会話の量ではなく「言い換えの数」を増やすほうが手応えが出ます。
あなたは私の英語コーチです。以下の条件を最後まで守ってください。
①私のレベル:短い文なら自分で作れます。過去形と現在完了は使えますが、とっさには出ません。聞き取りは、ゆっくりならだいたい分かります。
②目的:〈職場に来た海外からのお客さんと、五分だけ雑談できるようになりたい〉
③使える時間:一回十分、土曜だけ三十分です。
④直してほしい観点:通じるかどうかに加えて、「固すぎないか」を見てください。教科書っぽい言い方になっていたら指摘してください。
⑤直してほしくないもの:上級者向けの言い換えや、発音記号の説明はいりません。
⑥毎回の進め方:
1. 〈その日の場面〉を一つ決めて、あなたが英語で話しかける
2. 五往復まで会話する
3. 終わったら、私の英文を三つだけ選んで直す
4. 直した文それぞれに「もっと自然な言い方」を一つずつ添える
5. 最後に、今日いちばん使えそうな一文を一つ渡す
守ってほしいこと:
・褒めるのは一行までにしてください。
・直すときは「なぜ不自然か」を一文で説明してください。
・私が同じ言い回しを二回使ったら、その場で別の言い方を一つ教えてください。
・アメリカで実際によく使われる言い方だけを教えてください。自信がないものは「自信がない」と言ってください。
準備ができたら、場面の宣言と一言目の英語から始めてください。
中級で足すのは「なぜ不自然か」の一文
初級との差は、直しに理由をつけさせるかどうかです。
正解だけをもらうと、その場では分かった気になりますが、翌週には同じ間違いに戻ります。
「固いから」「書き言葉だから」「お店の人には使わないから」という一文がつくと、記憶の引っかかりができます。
直しの数を増やすより、直しに理由を一文つけるほうが身に残ります。
「自信がないと言ってください」を入れておく
これは事故を減らすための一行です。
AIは、知らないことでも自然な日本語で答えてしまうことがあります。
先に「自信がないときは自信がないと言ってください」と縛っておくと、あやしい言い回しに注釈がつきやすくなります。
それでも完全には防げないので、大事な場面で使う表現は人に確認してください。
英語コーチAIの指示文【伸び悩んでいる人向け】
いちばん相談が多いのが、この段階です。
会話は成り立つし、言いたいことも言える、でも一年前と同じ自分な気がする、というやつです。
この段階でやることは、会話を増やすことではありません。
自分が逃げている言い方を、あぶり出すことです。
あなたは私の英語コーチです。以下の条件を最後まで守ってください。
①私のレベル:会話は成り立ちます。ただ、毎回おなじ構文とおなじ単語に逃げている自覚があります。
②目的:〈言いたいことを、遠回りせずにひと息で言えるようになりたい〉
③使える時間:一回十分、土曜だけ三十分です。
④直してほしい観点:自然さと、言い回しの幅を見てください。私が同じ型に逃げていたら必ず指摘してください。
⑤直してほしくないもの:初歩の文法の指摘はいりません。そこはもう分かっています。
⑥毎回の進め方:
1. あなたが〈少し答えにくい質問〉を一つ投げる
2. 私が英語で答える
3. あなたは、私の答えの中から「逃げの言い方」を一つ名指しする
4. その一つについて、言い換えを三つ出す(やさしい順に並べる)
5. 私がその三つのうち一つを選んで、もう一度言い直す
6. これを三セット繰り返す
守ってほしいこと:
・褒めるのは一行までにしてください。
・「いいですね」で終わらせず、必ず一つは名指しで指摘してください。
・私の答えが短すぎるときは、短いと言ってください。
・毎回の最後に、私がその日に逃げた言い方を一行でメモにしてください。
準備ができたら、一つ目の質問から始めてください。
「名指しで一つ指摘する」を仕事として渡す
伸び悩みの段階では、AIはだいたい褒めてきます。
文法としては合っているし、通じてもいるからです。
だから「必ず一つは名指しで指摘する」ことを、こちらから仕事として渡します。
指摘は一つに絞ってください。三つ出させると、どれも直りません。
言い換えは「やさしい順」に並べさせる
言い換えを三つ出させるとき、並び順を指定しないと、たいてい難しいものから出てきます。
難しいものは、その場では感心しても口からは出ません。
やさしい順に並べさせて、一番目から使っていくほうが、実際に口に定着します。
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英語コーチAIに記憶を持たせる三つのやり方
指示文が書けたら、次は置き場所の話です。
ここを決めないと、三日で消えます。
やり方は三つあって、どれが正解ということはなく、生活のかたちで選びます。
| やり方 | 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|---|
| 毎回まるごと貼り直す | どのAIでも同じやり方で通したい人/設定をよく変える人 | スマホだけで練習する人(貼るのが面倒) |
| AI側の設定欄に入れておく | 毎日おなじAIを使う人/貼る手間をゼロにしたい人 | 複数のAIを使い分けている人 |
| メモ帳に台本を置く | 設定を育てていきたい人/記録を残したい人 | アプリを増やしたくない人 |
一・毎回まるごと貼り直す
いちばん原始的で、いちばん確実です。
新しい会話を開いて、指示文を丸ごと貼って、そこから始めます。
会話が長くなって前提がぼやけてきたときも、もう一度貼れば元に戻ります。
私は、長い会話の途中でAIの調子が変わったと感じたら、迷わず貼り直しています。
二・AI側の設定欄に入れておく
対話型のAIには、毎回の前提をあらかじめ登録しておける欄が用意されていることがあります。
呼び名も置き場所もサービスごとに違うので、ここでは「そういう欄があるかを一度探してみてください」とだけ書いておきます。
入れておけば、開いた瞬間からコーチとして始まるので、続けるための摩擦がいちばん小さくなります。
向いていないのは、英語以外の用事でも同じAIを使う人です。
仕事の調べものをしているときにまで英語コーチの口調で返ってくると、わりと邪魔になります。
三・メモ帳に台本を置く
スマホのメモに、指示文をそのまま一枚置いておくやり方です。
私がいちばんおすすめしているのはこれで、理由は「設定を育てられる」からです。
練習していると、毎回かならず「ここをこう直したい」が出てきます。
そのときメモを一行だけ書き足せば、翌日からのコーチが変わります。
三か月たつと、そのメモは自分だけの教材になっています。
英語コーチAIを一週間で回す型(月〜金は十分、土は振り返り、日は休む)
作り方より、回し方でつまずく人のほうが多いです。
ここでは、私が実際に人にすすめている一週間の型をそのまま置きます。
| 曜日 | やること | 時間 |
|---|---|---|
| 月 | 今週の場面を一つ決めて、三往復(または五往復) | 十分 |
| 火 | 同じ場面をもう一度。月曜に直された言い方を使う | 十分 |
| 水 | 同じ場面で、相手の出方を変えてもらう | 十分 |
| 木 | 同じ場面を、こちらから話しかける側でやる | 十分 |
| 金 | 台本を見ずに、その場面を通しでやる | 十分 |
| 土 | 今週出てきた「今日の一文」を全部並べて、口に出す | 三十分 |
| 日 | 休む | ゼロ分 |
この型の肝は、月曜から金曜まで場面を変えないことです。
毎日ちがう場面をやると、毎日はじめましてになって、口に残りません。
土曜の振り返りは、読むのではなく口に出す
土曜にやることは、一週間ぶんの「今日の一文」を五回ずつ声に出すことだけです。
五文なら二十五回、それで十分もかかりません。
残りの時間は、その五文を使う会話をコーチAIに作ってもらいます。
読むだけの振り返りは、やった気になるわりに口には残りません。
日曜を休みにしておく理由
毎日やると決めると、一日抜けた時点で「途切れた」ことになります。
最初から休む日を組み込んでおくと、抜けても型が崩れません。
私が見てきた範囲では、休みを入れている人のほうが三か月後に残っています。
ここで事故る|英語コーチAIがダメになる三つのパターン
作り方そのものより、ここを知っているかどうかで差がつきます。
私が相談を受けてきた中で、崩れ方はだいたい三つに分かれました。
事故その一・褒めるだけのコーチになる
いちばん多いのがこれです。
「素晴らしいです」「とても自然ですね」が毎回三行くらい続いて、肝心の直しが一行しかない、という状態になります。
気分はいいのですが、これを一か月続けても手応えは出ません。
直し方は一行だけで、指示文に「褒めるのは一行までにしてください」と入れます。
これを入れると、褒め言葉に使われていた分量が、そのまま指摘に回ります。
事故その二・知らない単語で直される
自分が書いた素朴な英文が、見たこともない単語を使った英文に直されて返ってくるパターンです。
直された文のほうが上等なのは分かるのですが、口からは一生出ません。
こちらも一行で、「私が知っている語だけで直してください」と縛ります。
もう一歩踏み込むなら、「中学で習う語だけで直してください」と書くとさらに安定します。
事故その三・毎回設定を忘れる
会話が長くなると、最初に貼った条件がだんだん効かなくなることがあります。
褒めるのが増えたり、難しい語が戻ってきたら、その合図です。
そのときは、指示文をもう一度まるごと貼り直してください。
「設定を守ってください」とお願いするより、貼り直すほうが確実に戻ります。
英語コーチAIが出した英語を、アメリカ人のパートナーに当ててみた
ここは、この記事でいちばん確かめたかったところです。
上の指示文でコーチAIに「カフェで注文して、店員さんの世間話に一往復返す」場面を作らせて、出てきた英文をアメリカ人のパートナーに読んでもらいました。
聞いたのは一つだけで、「これ、ここで言われたらふつうに聞こえる?」です。
そのまま使えると言われた四つ
| 英文 | 直訳 | 実際どういう意味か | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| Can I get a small latte? | 小さいラテをもらえますか | ラテのSサイズをください、というごく普通の注文 | カフェのレジで注文するとき |
| I'm just looking, thanks. | 見ているだけです、ありがとう | まだ決めていないので声をかけないでほしい、という柔らかい断り | お店に入って店員さんが来たとき |
| Sorry, could you say that again? | すみません、もう一度言ってもらえますか | 聞き取れなかったときのいちばん無難な聞き返し | 相手の言葉が速くて分からなかったとき |
| That works for me. | それは私にとって機能する | それで大丈夫です、という同意 | 待ち合わせや時間をすり合わせるとき |
この四つは、パートナーが「ぜんぶ普通に聞こえる」と言いました。
固い、と言われた二つ
| 英文 | 直訳 | 実際どう受け取られたか | 言われた代わりの言い方 |
|---|---|---|---|
| May I have a cup of coffee, please? | コーヒーを一杯いただけますでしょうか | 通じるが、朝のカフェの列ではかしこまりすぎて聞こえる | Can I get a coffee? |
| I am fine, thank you. And you? | 私は元気です、ありがとう。あなたは? | 意味は通るが、教科書を読み上げている感じがする | Good, how about you? |
面白かったのは、パートナーが「間違ってはいない」と何度も言ったことです。
コーチAIが出す英語は、間違いではないけれど固い、という方向にずれやすいということです。
だから中級の指示文に「固すぎないかを見てください」を入れています。
この一行を足して同じ場面をやり直したら、二つ目の表の言い方は出てこなくなりました。
ただし、これは私が試した一回ぶんの結果で、いつでもそうなると言い切れるものではありません。
自分で組んだ英語コーチAIで足りるところ・足りないところ
正直なところも書いておきます。
自分で組むやり方は万能ではありません。
| やりたいこと | 自分で組んだコーチAIで足りるか |
|---|---|
| 毎日の口慣らし、場面の反復 | 足りる |
| 言い換えの数を増やす | 足りる |
| 恥ずかしくて人前で言えない練習 | 足りる(むしろ得意) |
| 自分では気づけない癖の発見 | 半分。指示すれば拾うが、拾い漏れもある |
| 発音の細かい判定 | 足りない |
| 相手の表情や間に合わせて話すこと | 足りない |
足りないほうの二つは、人に見てもらう場面です。
とくに発音は、自分の耳では判定できません。
コーチAIに聞いても、文字で書いた説明が返ってくるだけで、自分の音が直っているかどうかは分かりません。
ここは人に一度聞いてもらうのが早いです。
私のおすすめは、毎日はコーチAIで回して、月に一回だけ人に見てもらう形です。
毎日の分をAIに預けられると、人に見てもらう時間を「自分では気づけないところ」だけに使えます。
AIを英語学習にどう組み込むかを、手を動かしながら学べる無料のウェブセミナーもあります。
まとめ|英語コーチAIの作り方と、明日からの使い方
長くなったので、持ち帰るところだけ並べます。
- ✓ 英語コーチAIの作り方は、六つの設定を日本語で書いて会話の最初に貼るだけ
- ✓ 六つとは、私のレベル・目的・使える時間・直してほしい観点・直してほしくないもの・毎回の進め方
- ✓ レベルは点数ではなく「できること」で書き、目的は場面・相手・時間の長さまで下ろす
- ✓ 指示文は初級・中級・伸び悩みの三本を用意した。山括弧の中だけ自分の言葉に書き換える
- ✓ 記憶の持たせ方は三つ。設定を育てたいならメモ帳に台本を置くやり方がおすすめ
- ✓ 一週間は、月から金まで同じ場面を十分ずつ、土曜に声に出して振り返り、日曜は休む
- ✓ 事故は三つ。褒めるだけになる、知らない単語で直される、設定を忘れる。どれも一行で直せる
- ✓ 発音の判定と、相手の間に合わせて話す練習は、人に見てもらう場面として残しておく
今日やることを一つだけ選ぶなら、六つの設定を書き出して、メモに保存するところまでです。
会話を始めるのは明日でかまいません。
設計図さえ手元にあれば、英語の練習は十分で終わる日課になります。

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