テストは明日。範囲は英単語100個。まだ半分も覚えていない。
こういうとき、多くの人は1個目から順に、丁寧に覚えようとします。そして時間が足りなくなります。
ゆりねこりん先生、明日までに100個とか無理やて。もうカンニングペーパー作るしかないんちゃう?



カンペはあかんけど、「カンペを作る作業」そのものは実は最強の暗記法やねん。作り方だけ教えたるわ。
試験前の短期記憶は、普段の単語学習とはやり方がまったく違います。
短時間で覚えるコツは、覚える量を増やすことではなく「触れる回数」を増やすことです。
- 試験前に英単語を短時間で覚える具体的な手順
- 「書いて覚える」が試験前に向かない理由
- カンペ作りが暗記になるしくみと、その正しいやり方
- 1時間・3時間・1日前、残り時間別のやり方
- 短期で覚えたものを試験後に残す方法
試験前に英単語を短時間で覚えるなら、1語にかける時間を削る
結論から書きます。
短時間で覚えるときは、1語あたり1秒で回します。じっくり見ない、書かない、考えない。これだけです。
1語に10秒かけると、100語で約17分。1周するだけで終わります。1語1秒なら、100語で2分足らず。同じ17分で8周できます。
1回じっくり見るより、8回さっと見るほうが残ります。理由は単純で、記憶は「濃さ」ではなく「再会の回数」で決まる部分が大きいからです。
「書いて覚える」は試験前には向かない
単語を3回ずつノートに書き写す。定番のやり方ですが、試験前日にやると時間を食い尽くします。
書く動作はどうしても1語あたり10秒以上かかります。100語なら、それだけで30分近く消えます。
しかも、書いている間の頭は「文字を写す作業」に向いていて、意味を思い出す作業をしていません。手を動かした満足感はあるのに、思い出す練習になっていないのが弱点です。
1語に1つの訳だけを結びつける
単語帳には、1つの単語に3つも4つも訳が並んでいることがあります。試験前は、そのうち1つだけに絞ります。
いちばん上に書いてある訳、あるいは授業で使った訳を1つ選び、残りは線で消すか、指で隠します。
選択肢が減ると、思い出す速度が上がります。追加の訳は、試験が終わってから足せば足ります。
カンニングペーパーを「作る」作業が、そのまま暗記になる
試験当日にカンペを持ち込むのは、当然ながらやってはいけません。ここで言うのは、持ち込まない前提で作るカンペのことです。
カンペ作りが効くのは、この3つの作業が同時に起きるからです。
- 覚えている語と覚えていない語を、自分で仕分ける
- 限られた紙に収めるために、情報を削って要点だけにする
- 手で書いた位置・並び・レイアウトが、映像として頭に残る
特に2つめが大きいです。全部を写すのではなく「これだけは危ない」を選ぶ作業が、記憶の整理そのものになります。
手順1|まず全部に1周だけ目を通して、×をつける
単語帳の範囲を、1語1秒で最後まで見ます。英語を見て訳が出てこなかった語だけ、鉛筆で×をつけます。
この段階では覚えようとしません。やっているのは仕分けであって、暗記ではありません。
100語なら、たいてい×は30〜50個くらいに落ち着きます。この時点で、覚えるべき量が半分以下になります。
手順2|×の語だけを、1枚の紙に詰め込んで書く
A4を1枚だけ用意します。増やしません。1枚に入りきる量に絞ることが目的だからです。
左に英語、右に訳を1つ。装飾はしません。色を分けるのも1色までにします。
書き終わるころには、×の語に2回目の接触をしたことになります。
手順3|訳の側を隠して、紙を上から下へ3周
作った紙を、右側(訳)を手で隠しながら上から下へ流します。出てこなければ、すぐ手をどけて答えを見ます。
考え込まないことがコツです。3秒待って出なければ、それは「知らない語」なので答えを見て次へ進みます。
3周したら、まだ出てこない語に丸をつけます。だいたい10個前後まで減っているはずです。
手順4|残った10語だけ、声に出して言う
最後に残るのは、意味が結びつきにくい語です。ここだけは口を使います。
「英単語→訳」を声に出して10回。目で追うだけより、音と口の動きが加わるぶん引っかかりが増えます。
10語×10回でも、かかるのは3分程度です。
手順5|試験直前に、その1枚だけをもう1周
試験が始まる直前に見るのは、単語帳ではなく作った1枚だけです。
直前に見た情報は、試験開始からしばらくの間だけ取り出しやすい状態にあります。順番を入れ替えず、書いた並びのまま見ると、紙の位置ごと思い出せます。
残り時間別|1時間・3時間・前日のやり方
使える時間によって、削るところが変わります。
残り1時間|手順1と手順3だけやる
紙を作る時間がありません。単語帳に直接×をつけ、×の語だけを訳を隠して回します。
1時間で、×の語を5周できれば十分です。全部を覚えようとしないことが、この状況では最優先です。
残り3時間|手順1〜4を通す
紙を作る余裕があります。仕分け15分、紙づくり30分、3周で30分、残り語の音読10分。
ここまでで約1時間半。余った時間は、同じ紙をもう2周します。新しい範囲には広げません。
前日|寝る前と起きた直後の2回に分ける
前日に丸1日あるなら、詰め込みを1回で終わらせず、間に睡眠をはさみます。
夜に手順1〜4を終え、朝にもう1周。同じ回数でも、間に睡眠が入るほうが定着しやすいというのは、学習法の定番として広く言われている考え方です。
試験前の単語暗記でやりがちな失敗
- 1語目から順に、覚えた語も覚えていない語も同じ時間かけて見る
- ノートに3回ずつ書き写して、1周で時間切れになる
- きれいなまとめノートを作ることが目的になってしまう
- 思い出せない語で10秒以上止まって、先に進まない
- 範囲外の語まで気になって、手を広げてしまう
3つめは特に危険です。色ペンを何本も使って整えた表は、見た目は立派でも、作るのに時間がかかりすぎます。



きれいに作った時点で満足してまうんよな。汚くてええから、×の語だけ、1枚に詰め込む。それが効くんや。
試験が終わったあと、覚えた単語を消さないために
短期で詰め込んだ記憶は、何もしなければ薄れていきます。それ自体は自然なことです。
作った1枚を捨てずに取っておき、試験の翌日と、1週間後の2回だけ見直します。2回で3分ずつ、合計6分です。
この2回を入れるかどうかで、次の試験のときに残っている量が変わります。
英単語を短時間で覚えることについてよくある質問
1日で100語は現実的ですか
「試験のその瞬間だけ思い出せる状態」までなら、十分に現実的です。ただし、長く残る形にはなりません。
覚えられる語数は人によって差が大きいので、何語なら確実という言い方はできません。×の語を減らすこと自体が進捗です。
アプリと紙、どちらがいいですか
仕分けと高速回しはアプリが速いです。ただし、試験直前の1枚は紙をおすすめします。
紙は「どのあたりに書いてあったか」という位置の情報が一緒に残るためです。
発音も一緒に覚えるべきですか
試験がリスニングを含むなら、音は必ず1回は聞いてください。含まないなら、後回しで構いません。
ただしカタカナで音をメモするのは避けたほうがいいです。あとで直すのに時間がかかります。
まとめ|短時間の暗記は、削る作業がすべて
- 1語1秒で回す。じっくり見ない、書かない
- まず1周して×をつけ、覚える対象を半分以下に削る
- ×の語だけをA4の1枚に詰め込む。この作業自体が暗記になる
- 訳を隠して3周、残った10語だけ声に出す
- 直前に見るのは単語帳ではなく、作った1枚だけ
- 試験の翌日と1週間後に3分ずつ見直して、残す



全部覚えようとするから終わらへんねん。覚えてへんやつだけ、何回も会いにいく。それだけでええんよ。
まずはタイマーを2分にセットして、範囲の単語に1周だけ目を通すところから始めてみてください。









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