単語帳を黙って見つめている時間が長いのに、覚えた実感がない。
そういうとき、足りていないのはたいてい「音」です。
ゆりねこりん先生、音読ってええって聞くけど、ただ声に出すだけでほんまに覚えられるん?



ただ声に出すだけやったら、あんまり変わらへんよ。順番と回数を決めたら、そこで初めて効いてくるんや。
わたしはアメリカのカリフォルニアに住んでいて、日常の英語はアメリカ人パートナーと話しています。
日々感じるのは、目で覚えた単語は会話で出てこないということです。読めば意味がわかるのに、話すときには一度も出てこない語が山ほどあります。
この記事では、音声を使って英単語を覚える具体的な手順と、そのときにやってはいけないことをまとめます。
- 黙読より音読のほうが単語が残りやすい理由
- 5ステップを1日15分に収める時間の配分
- 音読で英単語を覚える5つのステップ
- 音声つき教材をどう使い回すか
- 覚えた単語が消えないようにする「メンテナンス」のやり方
- 音読でやりがちな失敗
音読で英単語が覚えられるのは、記憶の手がかりが3本に増えるから
結論から書きます。
黙読だけで覚えようとすると、手がかりが「文字の見た目」1本になります。音読を入れると、そこに「音」と「口の動き」が足されます。
手がかりが増えるほど、思い出す入口が増えます。文字を忘れても音で引き出せる、音を忘れても口の感覚で引き出せる、という状態になります。
音を知らない単語は、聞いても読んでも気づけない
単語帳で覚えた語をリスニングで聞き逃す。これは非常によくあります。
原因ははっきりしていて、自分が頭の中で読んでいた音と、実際の音が違うからです。
たとえば comfortable を「コンフォータブル」と覚えていると、実際の音を聞いたときに別の語だと感じます。文字は知っているのに、音では知らない状態です。
カタカナでメモした瞬間、日本語の拍に戻る
音を覚えるつもりでカタカナを書き添える人がいますが、これは逆効果になりやすいです。
カタカナに直した時点で、英語の音は日本語の拍の数に置き換わります。あとでこの癖を直すほうが、最初に覚えるより時間がかかります。
音読で英単語を覚える5つのステップ
音読には順番があります。いきなり声を出しません。
ステップ1|範囲を決めて、まず全体を1周する
最初に、今日やる範囲を決めます。1回に扱うのは20〜30語くらいが回しやすい量です。
その範囲を、意味を確認しながらさっと1周します。ここでは覚えようとしません。森を見てから木を見るという順番です。
全体像が先に入っていると、あとで「あの語はこのへんにあった」という位置の記憶が使えます。
ステップ2|音声を聞くだけ。声は出さない
次に、その範囲の音声を流して聞きます。ここでもまだ声は出しません。
自分の想像していた読み方と違う語があれば、そこに印をつけます。この印がついた語が、あとでいちばん伸びます。
ステップ3|音声に重ねて読む
音声を流しながら、同じ速度で声を重ねます。追いつけない語が、自分の弱点です。
ここで大事なのは、意味を思い出しながら読むことです。文字を音に変換するだけの作業になると、記憶には残りません。
ステップ4|音声を止めて、自分だけで言う
音声を止め、英語を見て声に出し、そのまま訳を言います。「英語→訳」を口でつなぐ練習です。
1語あたり2〜3秒。詰まったら答えを見て、すぐ次へ進みます。止まらないことを優先します。
ステップ5|訳を隠して、1語1秒で3周
最後に高速で回します。訳を隠し、英語だけを見て、口の中で訳を言います。
ここまでで20〜30語に対して5回接触したことになります。1回を濃くするのではなく、回数で刻むのが音読のやり方です。
音読のやり方を1日15分に組む
5ステップは、かける時間を決めないと途中で終わります。新しい20語を1日15分に収めるなら、配分はこうなります。
- ステップ1 範囲を決めて全体を1周……2分
- ステップ2 音声を聞くだけ……3分
- ステップ3 音声に重ねて読む……4分
- ステップ4 音声を止めて自分だけで言う……4分
- ステップ5 訳を隠して1語1秒で3周……2分
ここに前日ぶんの見直し2分を足して、1日17分。これで新しい語と覚えた語の両方が回ります。
時間が足りない日に削るのは、ステップ1とステップ5です。ステップ2と3を削ると、手本の音を聞かないまま読むことになって自己流の音に戻ります。削る順番を間違えると、音読をしている意味そのものが無くなります。
それでも15分に収まらないなら、減らすのは時間ではなく語数のほうです。20語を駆け足で流すより、10語を5ステップ最後まで通したほうが残ります。
やる時間帯は朝でも夜でも構いません。そろえてほしいのは時刻ではなく順番で、「音声を流す→自分で読む」の並びだけは毎回同じにしてください。



15分が長いと思たら、まず7分でええよ。10語を5ステップ通すだけでも、黙読を30分やるよりよっぽど残るからな。
音声つき教材の選び方と使い回し方
教材は、多ければいいというものではありません。
音声がついているものを選ぶ、それだけ
単語帳を選ぶときの条件は、まず音声があることです。CDでも、アプリでも、ダウンロードでも形式は問いません。
音声がない単語帳を使うと、ステップ2と3ができません。手がかりが1本に戻ってしまいます。
同じ音声を3日続けてから次へ行く
新しい範囲に毎日移るより、同じ範囲を3日続けるほうが残ります。
1日目は時間がかかり、2日目はやや楽になり、3日目にはかなり速くなっているはずです。3日目に楽に言えていれば、次の範囲に進みます。
移動時間は「聞くだけ」に使う
声を出せない場所では、ステップ2だけを繰り返します。すでに意味を知っている範囲の音声なので、聞き流しでも接触回数が増えます。
ただし、意味を知らない範囲を聞き流しても効果は薄いです。順番を逆にしないでください。
覚えた単語を消さない「メンテナンス」
覚えた語は、放っておけば薄れます。これは失敗ではなく、記憶のふつうの動き方です。
だから、覚える工程とは別に、維持する工程を持ちます。
- その日やった範囲を、翌日に1語1秒で1周する(2分)
- 1週間前の範囲を、週末にまとめて1周する(10分)
- 出てこなかった語だけに印をつけ、次の週はその語だけ回す
維持にかける時間は、新しく覚える時間より短くて構いません。週に10分の見直しがあるかないかで、半年後に残っている量が変わります。
音読で英単語を覚えるときの失敗
- 音声を聞かずに、自己流の読み方で音読してしまう
- 意味を考えずに、文字を音に変換するだけになっている
- 毎日ちがう範囲に進み、同じ語に2回目を会わせない
- カタカナで読み方をメモしてしまう
- 覚えた語もまだの語も、同じ時間をかけて読む
いちばん多いのが1つめです。音声を聞かずに音読すると、間違った音を繰り返し練習することになります。



間違った音で100回読んだら、間違った音が100回分しみつくだけやからな。先に手本を聞く、これは飛ばしたらあかんで。
音読と英単語についてよくある質問
1日に何語やればいいですか
新しい語は20〜30語が回しやすい量です。ただし、使える時間と目的によって適量は変わるので、何語が正解と言い切ることはできません。
目安として、5ステップを最後まで通せる量に収めてください。通せないなら多すぎます。
小さい声でもいいですか
構いません。大事なのは声の大きさではなく、口と舌が実際に動いていることです。
ただし、口の中で言うだけの「つもり音読」は、動きが省略されやすいので注意が必要です。
例文ごと音読すべきですか
単語だけで覚えにくい語は、例文ごと読むほうが定着しやすいです。特に前置詞とセットで使う語がそうです。
全部の語を例文で読むと時間が足りなくなるので、詰まった語だけ例文に広げるのがおすすめです。
まとめ|英単語は、目と口と耳の3本で覚える
- 黙読だけだと手がかりが「文字」1本しかない
- 音読の前に、必ず手本の音声を聞く
- 1周目は覚えようとせず、全体像をつかむだけ
- 同じ範囲を3日続けてから次へ進む
- 翌日2分・週末10分の見直しで、覚えた語を維持する
- カタカナで読み方をメモしない



今日の範囲、まず音声だけ1回流してみ。「思てたんと違う」語が2つ3つ出てきたら、それが伸びしろやで。
まずは20語だけ選んで、音声を1回流すところから始めてみてください。








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