よろしくお願いしますを英語で何と言うか。これは日本人が最後まで悩み続ける問題です。
結論から言うと、対応する1語はありません。
よろしくお願いしますの英語は存在せず、場面ごとにまったく別の文へ置き換えるしかありません。
日本語の「よろしくお願いします」は、あいさつ・依頼・締め・前置きを1語で兼ねる、きわめて特殊な言葉だからです。
私はアメリカ・カリフォルニアに住んでいて、日本語と英語の両方で仕事のやりとりをしています。
その中で、場面ごとにどう置き換えているかを全部出します。
よろしくお願いしますの英語が存在しない理由
日本語のこの一言には、少なくとも4つの意味が詰まっています。
| 日本語の場面 | こめられた意味 | 英語での置き換え |
|---|---|---|
| 初対面 | これから仲良くしてください | Nice to meet you. |
| 依頼 | 対応をお願いします | Could you 〜? |
| メールの締め | 今後ともお付き合いを | Best regards, |
| 先に頼む | 前もってお礼 | Thanks in advance. |
英語は「何を、誰に、いつ」を必ず言葉にする言語なので、中身を言わない便利な一言が成立しません。
つまり、よろしくお願いしますを英語に訳そうとする発想そのものが行き止まりです。
そのかわり、場面を5つに割ってしまえば、覚えるべき文はごく少数で済みます。
よろしくお願いしますの英語|初対面で使う5本
- Nice to meet you. / はじめまして。
- It's a pleasure to meet you. / お会いできて光栄です。
- I'm looking forward to working with you. / ご一緒できるのを楽しみにしています。
- I've heard great things about you. / お噂はかねがね。
- Let's keep in touch. / 今後ともよろしく。
仕事の初対面でいちばん近いのは I'm looking forward to working with you. です。これが実質的な「よろしくお願いします」になります。
注意したいのは、Nice to meet you. は初対面の一度きりしか使えないことです。
二度目以降は Nice to see you again. に変わります。ここを間違えると、相手は「前に会ったのを忘れている」と感じます。
よろしくお願いしますの英語|メールで使う6本
- Best regards, / 敬具(いちばん無難)
- Kind regards, / 敬具(ややていねい)
- Thank you for your time. / お時間をいただきありがとうございます。
- Thanks in advance. / 先にお礼を申し上げます。
- I appreciate your help. / ご協力に感謝します。
- Looking forward to your reply. / ご返信をお待ちしております。
メールの締めは Best regards, で固定してしまってかまいません。毎回悩む必要はまったくありません。
もう少し気持ちを乗せたいときだけ、その上の行に Thank you for your time. を1行足します。
これで、日本語のメールの「よろしくお願いいたします」とほぼ同じ役割を果たします。
よろしくお願いしますの英語|依頼するときの7本
- Could you take a look at this? / これを見ていただけますか。
- Would you mind checking this? / 確認をお願いできますか。
- I'd appreciate it if you could 〜. / 〜していただけると助かります。
- Please let me know by Friday. / 金曜までにお知らせください。
- Any help would be appreciated. / ご協力いただけると助かります。
- Thanks for handling this. / 対応よろしくお願いします。
- I'll leave it to you. / おまかせします。
依頼の「よろしくお願いします」は、何をしてほしいかを必ず言葉にするのが英語のルールです。ここを省くと丸投げに聞こえます。
日本語では「あとはよろしく」で通じますが、英語では何をどこまでやるのかが伝わりません。
面倒でも、対象と期限の2つだけは必ず添えてください。
よろしくお願いしますの英語|別れ際と退社時の7本
- Have a good one. / よい一日を。
- See you tomorrow. / また明日。
- Take care. / 気をつけて。
- Have a great weekend. / よい週末を。
- Let me know if anything comes up. / 何かあれば言ってください。
- I'm heading out. / お先に失礼します。
- Good night. / おつかれさまでした。
日本語の「お先に失礼します」に最も近いのは I'm heading out. です。謝る必要はまったくありません。
英語圏には「先に帰ることを詫びる」という文化がないので、Sorry を付けると相手が戸惑います。
明るく See you tomorrow! と言って帰るのが、いちばん自然な振る舞いです。
よろしくお願いしますの英語|置き換えを決める3つの質問
場面が多くて覚えきれない、という人のために、判断の手順を用意しました。
自分に3つ質問するだけで、選ぶ文が決まります。
質問1|相手に何かしてほしいのか
してほしいことがあるなら、依頼の形にします。
Could you 〜? か Would you mind 〜? を使い、何をいつまでにしてほしいのかを添えます。
ここで「よろしく」とだけ言うと、英語では何も依頼していないのと同じになります。伝わらないのではなく、伝える中身が無い状態です。
質問2|これから関係が始まるのか
始まるなら、未来に向けた言い方にします。
I'm looking forward to working with you. が最も使いやすく、初対面でも取引開始でも使えます。
すでに関係が続いているなら Thank you for your continued support. のほうが合います。
質問3|ただの締めくくりなのか
締めくくりなら Best regards, で終わりです。ここで悩む時間がいちばんもったいないので、固定してしまってください。
日本語のメールで「よろしくお願いいたします」を毎回同じように書くのと、まったく同じ考え方です。
この3つの質問を通せば、どんな場面でも1秒で選べるようになります。
よろしくお願いしますの英語でやりがちな間違い
- Please take care of me.=直訳。世話をしてくださいという意味になり、かなり不自然
- Nice to meet you を2回目に使う=会ったことを忘れている印象
- Thanks in advance. の乱用=断らせない圧に感じる人もいる
- Regards 単独=そっけない。Best regards にする
Please take care of me. は、日本人がいちばん多く使ってしまう直訳です。子どもを預けるときのような響きになるので、必ず避けてください。
よろしくお願いしますの英語まとめ
覚えるのは、結局この5本だけです。
- 初対面 / I'm looking forward to working with you.
- メールの締め / Best regards,
- 依頼 / Could you 〜?
- 先にお礼 / Thanks in advance.
- 退社 / Have a good one.
この5本で、日本語の「よろしくお願いします」が使われる場面のほぼ全てをカバーできます。
訳せない言葉を訳そうとするから苦しくなるので、最初から置き換えると割り切ってしまうのが近道です。
日本語には、中身を言わずに関係だけを確認する言葉がたくさんあります。
よろしくお願いしますも、お世話になっておりますも、そのひとつです。
英語はその逆で、関係よりも中身を先に言う言語です。
だから訳が見つからないのは、自分の英語力の問題ではなく、言語の作りが違うというだけの話です。
このことが腹に落ちると、英語のメールも会話も、ずいぶん書きやすくなります。
実際の会話で口から出るかどうかが全てなので、AI英会話で口に出して練習するのがおすすめです。

コメント