英語を何年も勉強してきたのに、自分の発音だけはいつまでも自信が持てない。そんな感覚はありませんか。
単語も文法もわかる。読めば意味も取れる。それなのに、声に出したとたんに相手の顔が「ん?」となる。
ゆりねこりん先生、うち発音だけがどうしてもアカンのよ。もう耳から治らへんのちゃう?



それがな、発音って「才能」やのうて「手順」やねん。順番さえ合うてたら、大人からでもちゃんと動くで。
わたしはアメリカのカリフォルニアに住んでいて、日常の英語はアメリカ人パートナーと話しています。
そこでいちばん強く感じたのは、通じるかどうかを決めているのは、きれいな発音ではなく「音の区別」だということでした。
日本語には無い区別を知らないまま練習を重ねても、同じところで何度もつまずきます。
逆に、区別すべき音がどれかを知ってしまえば、直すべき場所は思っているよりずっと少ないです。
- 英語の発音がよくならない本当の理由
- 日本人がつまずく音を具体的にどう直すか
- 口の形より先にやるべき練習は何か
- 独学でも回る1日15分の練習手順
- やってはいけない練習のやり方
英語の発音がよくならないのは、直す場所を知らないから
結論から書きます。
英語の発音が伸びない最大の理由は、努力の量ではなく「どの音を直すか」が決まっていないことです。
発音を直したいと思ったとき、多くの人はまず英語全体をきれいにしようとします。
ところが英語の音のうち、日本語話者にとって本当に問題になるものは限られています。
母音の数も子音の数も日本語とは違いますが、実際に意味を取り違えられる場面は、いくつかの決まったパターンに集中しています。
日本語と英語では「音の単位」がそもそも違う
日本語は、かな1文字がほぼそのまま1拍になります。「カ」は子音と母音がセットで、ほぼ同じ長さで並びます。
英語はそうではありません。子音だけで立つ音があり、強く読む音と弱く読む音の差が大きいという特徴があります。
たとえば strike という語は、英語では s・t・r が母音をはさまずに続きます。
これを日本語の耳で受け取ると「ストライク」と、母音を足した5拍の語に変換されてしまいます。
この変換が起きたまま話すと、単語そのものは正しいのに、相手には別の語の連なりに聞こえます。
「きれいな発音」と「通じる発音」は別のもの
ネイティブそっくりの発音は、目標としては魅力的ですが、優先順位としては最後です。
先に必要なのは、違う語として区別されるべき音を、違う音として出せることです。
たとえば light と right、think と sink、best と vest。
この差が出せていれば、多少のなまりがあっても意味は通ります。
逆に、抑揚をどれだけまねても、この差がつぶれていると相手は聞き返します。
英語の発音で日本人がつまずく音を整理する
ここからは、実際に直す価値が高い音を順番に挙げます。
自分がどれに当てはまるかを確かめながら読んでください。
LとRは「舌をつけるかどうか」で分ける
L は、舌の先を上の前歯のすぐ後ろの歯ぐきにしっかりつけて出します。
R は、舌の先をどこにもつけません。舌全体を少し後ろに引き、唇をわずかに丸めます。
日本語のラ行は、舌先が一瞬だけ上あごを弾く音なので、英語で言えば L でも R でもない第三の音になります。
つまり日本語のラ行のまま話すと、どちらの語に受け取られるかが相手まかせになります。
直し方は単純で、L は舌をつける、R は絶対につけない、とだけ決めて発音し分けることです。
thの音は「歯にさわる」だけで足りる
think の th と、this の th は、どちらも舌の先を上下の歯のあいだか上の前歯の裏に軽く当てて出します。
think 側は声を出さず息だけ、this 側は声を出します。
よくある置き換えが、think を sink に、this を this ではなく「ジス」にしてしまうことです。
歯に当てる動作を省略すると、まったく別の語になってしまうので、ここは形を覚えたほうが早いです。
FとVは下唇、SとSHは舌の位置で決まる
F と V は、下唇の内側を上の前歯に軽く当てて息を通します。
日本語のハ行やバ行で代用すると、fan と pan、very と berry の区別が消えます。
S と SH は、舌の盛り上がる場所が前か後ろかの違いです。see と she の差はここだけで決まります。
母音は「数が多い」のではなく「近いものが並んでいる」
英語には、日本語のアに近い音が複数あります。cat の母音、cut の母音、cart の母音は、日本語の耳ではどれもアに聞こえます。
ここで大事なのは、全部を正確に出すことではなく、少なくとも自分の中で別の音として意識することです。
意識が分かれていない音は、聞き分けもできませんし、出し分けもできません。
英語の発音は、口の形より先に「聞き分け」から直す
発音の練習というと、口の動かし方の解説から入るものが多いです。
ただ、実際の順番は逆だと考えています。



えー、口の形が先ちゃうん? 動画で見たやつ、めっちゃ口のアップやったで。



形だけ真似しても、自分の耳が違いに気づいてへんかったら、合うてるかどうか判定できひんやろ。まず耳やねん。
自分が区別できていない音は、出せていても合っているかどうかを自分で確かめられません。
だから最初にやるのは、二つの似た音を並べて聞き、どちらかを当てる練習です。
light と right、think と sink のように、一か所だけ違う語のペアを使います。
正解と不正解がはっきり出るので、自分の弱点がその場でわかります。
録音は「うまく聞こえるか」ではなく「区別がついているか」で聴く
自分の声を録って聴くのは有効ですが、聴き方にコツがあります。
全体の印象を評価すると、ほぼ確実に落ち込んで終わります。
確認するのは一点だけ、その語の中心になる音が別の語とぶつかっていないかです。
right と録音したつもりの音が light に聞こえるなら、直す場所はそこだけです。
英語の発音を独学で直す練習の順番
ここまでを、そのまま毎日の手順に落とします。
わたし自身はシャドーイングの添削サービスを1年以上使い、400回以上提出してきました。
そこで実感したのは、時間を増やすことより、同じ短い音声を回数多く繰り返すほうが変化が早いということです。
ステップ1|30秒の音声を1本だけ選ぶ
教材は短いほどうまくいきます。ニュースでもドラマの一場面でも構いません。
大事なのは、意味がすでにわかっている音声を選ぶことです。意味を考えながらでは音に集中できません。
ステップ2|文字を見ないで5回聞く
最初は音だけを聞きます。どこが強く読まれていて、どこが消えているかに注意を向けます。
このとき、単語と単語のあいだが切れていない場所を探しておくと、あとの再現が楽になります。
ステップ3|文字を見ながら重ねて読む
音声を流しながら、同じ速度で声を出して重ねます。追いつけない場所が、自分の弱点です。
追いつけない原因はたいてい、語の切れ目を日本語の拍で数えているからです。
ステップ4|音声を止めて、同じ調子で言い切る
ここで初めて自分ひとりで再現します。録音して、ステップ2で見つけた特徴が残っているかを確認します。
ステップ5|翌日、同じ音声をもう一度やる
新しい教材に移るより、同じ音声を3日続けるほうが定着します。
3日目に楽に言えるようになっていれば、次の音声に進んで構いません。
英語の発音の練習でやりがちな失敗
最後に、時間を無駄にしやすいやり方をまとめます。
- 毎回ちがう教材に手を出して、同じ音を2回以上練習しない
- 口の形の解説だけを読み、実際に声を出していない
- 自分の録音を「うまいか下手か」でしか聴いていない
- カタカナで発音をメモしてしまい、日本語の拍に戻してしまう
- 全部の音を直そうとして、どれも中途半端に終わる
特に多いのが、最後のひとつです。
直す音を一度に2つまでに絞ると、練習が続きます。
LとRを今月やると決めたら、その月はthを気にしなくて構いません。
英語の発音についてよくある質問
大人になってからでも発音は変わりますか
変わります。ただし、子どものように自然に身につくのではなく、どの音を直すかを自分で決めて、意識的に繰り返す形になります。
逆に言えば、対象がはっきりしている大人のほうが短期間で変化が見える場面もあります。
アメリカ英語とイギリス英語、どちらをまねるべきですか
どちらでも構いませんが、教材を混ぜないほうが練習しやすいです。
同じ語でも母音やRの扱いが違うため、手本が入れ替わると再現しづらくなります。
発音記号は覚えたほうがいいですか
全部を暗記する必要はありません。自分がつまずいている音だけ、記号と口の動きをセットで覚えれば足ります。
まとめ|英語の発音は、直す場所を絞れば動く
英語の発音は、才能でも耳の良さでもなく、手順の問題です。
- 直すべきは全部の音ではなく、意味が変わってしまう区別だけ
- 口の形より先に、似た音を聞き分ける練習から入る
- 30秒の音声を3日続けるほうが、毎日新しい教材より効く
- 録音は印象ではなく、区別がついているかだけを聴く
- 直す音は一度に2つまでに絞る



まずはLとRだけ、今日から1週間やってみ。区別がついた瞬間に、聞こえ方まで変わるから。
今日の練習を、30秒の音声1本から始めてみてください。









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