いただきますを英語で何と言うか、と聞かれて答えに詰まる人は多いです。
答えを先に言うと、ぴったり同じ意味の英語はありません。
食べ物や作り手に感謝してから箸を取る、という習慣そのものが英語圏にないからです。
いただきますの英語は、食べ始めるなら Let's eat、作った人へのお礼なら Thank you for the meal、食後なら That was delicious。役割ごとに別の言葉へ分けるのが正解です。
私はアメリカ・カリフォルニアに住んでいます。
こちらの家庭で食事が始まるとき、全員が声をそろえる場面はほとんどありません。
作った人が Dig in! と声をかけて、そこから各自が食べ始めます。
宗教的な家庭では、食前のお祈りがいただきますの役割を果たしています。
この記事では、いただきますの英語を場面ごとに分けて、そのまま使える70本をそろえました。海外の食卓で黙って食べ始めなくて済むようになります。
いただきますの英語が1語で存在しない理由
日本語のいただきますが持つ役割を分解すると、理由が見えてきます。
| いただきますの役割 | 日本語 | 英語 |
|---|---|---|
| 食べ始める合図 | いただきます | Let's eat. |
| 作った人へのお礼 | ありがとう | Thank you for cooking. |
| 食材への感謝 | 命をいただく | (祈りで表す) |
| 食べ終わりの区切り | ごちそうさま | That was delicious. |
| 店を出るとき | ごちそうさまでした | Everything was great, thank you. |
いただきますは、合図と感謝と祈りが1語に詰まっています。英語ではこれを3つに分けて言うことになります。
だから「いただきますを英語で」と直訳を探しても見つかりません。
探すべきなのは、その場面で英語話者が実際に何を言うか、です。
食卓で使われているのは、ほとんどが Let's eat. と Dig in. の2つです。
キリスト教の家庭では、その前に短いお祈りが入ります。
お祈りをしない家庭では、何も言わずに食べ始めることも珍しくありません。
迷ったら、作ってくれた人に Thank you, this looks amazing! と言ってください。いただきますの気持ちがいちばんよく伝わります。
いただきますの英語|食べ始めるときの10本
食事が始まる合図として使われる言い方です。
- Let's eat! / 食べましょう。
- Dig in! / どうぞ召し上がれ。
- Help yourself. / 好きなだけどうぞ。
- Enjoy your meal. / おいしく召し上がれ。
- Go ahead and start. / 先に始めてください。
- Don't wait for me. / 私を待たずにどうぞ。
- Everyone, please start. / みなさんどうぞ。
- This looks amazing! / おいしそうですね。
- I'm starving, let's go! / お腹ぺこぺこです、食べましょう。
- Bon appétit! / 召し上がれ。
Dig in! は、作った側やもてなす側が言う言葉です。招かれた側が言うと、少し場違いになります。
招かれた側が言うなら This looks amazing! が自然です。
料理を褒めながら、食べ始める合図にもなる便利な一言です。
Help yourself. は、取り分け式の料理で使われます。
ホームパーティーでは、これが実質的な開始の合図になります。
Bon appétit! はフランス語ですが、英語圏でもそのまま使われています。少しおどけた響きになるので、家庭では人気があります。
いただきますの英語|食べ終わったときの10本
ごちそうさまに当たる、食後のあいさつです。
- That was delicious. / おいしかったです。
- Thank you for the meal. / ごちそうさまでした。
- I'm stuffed. / お腹いっぱいです。
- That hit the spot. / ちょうどよかったです。
- I couldn't eat another bite. / もう一口も入りません。
- Everything was great. / 全部おいしかったです。
- Thanks for having us. / お招きありがとうございました。
- You outdid yourself. / 腕を上げましたね。
- Let me help with the dishes. / 片づけを手伝わせてください。
- I'll be dreaming about this. / 忘れられない味です。
ごちそうさまに当たる決まり文句はありません。代わりに、料理を具体的に褒めるのが英語圏の作法です。
That was delicious. の一言で、ごちそうさまの役割は十分に果たせます。
そこにもう一言、どこがよかったかを足すと、さらに喜ばれます。
That hit the spot. は「まさに求めていたものだった」という意味です。
お腹が空いていたときの満足感を表す、口語らしい言い方です。
食後に Let me help with the dishes. と申し出るのは、アメリカの家庭でとても喜ばれます。ごちそうさまの代わりになる行動です。
いただきますの英語|料理を褒める12本
英語圏では、褒め言葉がいただきますとごちそうさまの代わりになります。
- This is so good! / すごくおいしいです。
- It's amazing. / 最高です。
- The sauce is incredible. / ソースが素晴らしいです。
- How did you make this? / どうやって作ったんですか。
- Can I get the recipe? / レシピを教えてもらえますか。
- This is restaurant quality. / お店の味ですね。
- I could eat this every day. / 毎日でも食べたいです。
- You're a great cook. / 料理が上手ですね。
- Seconds, please! / おかわりください。
- What's in this? / 何が入っているんですか。
- The flavors are perfect. / 味のバランスが完璧です。
- I've never had anything like this. / こんな味は初めてです。
Can I get the recipe? は、最高級の褒め言葉です。また作りたいと思うほど気に入った、という意味になります。
Seconds, please! も、言葉以上に強い褒め方です。
おかわりを求めることが、おいしさの何よりの証明になります。
日本では遠慮する場面ですが、アメリカでは遠慮しないほうが喜ばれます。
作り手は、たくさん食べてもらうことを前提に量を用意しています。
料理を褒めるときは、具体的にどこが良かったかを言ってください。delicious だけより、the sauce is incredible のほうが何倍も伝わります。
いただきますの英語|家に招かれたときの10本
ホームパーティーや食事に招かれたときの、前後のあいさつです。
- Thanks for having me. / お招きありがとうございます。
- I brought something for dessert. / デザートを持ってきました。
- Can I help with anything? / 何か手伝いましょうか。
- It smells amazing in here. / いい匂いですね。
- Where should I sit? / どこに座ればいいですか。
- Should I wait for everyone? / 全員そろうまで待ちますか。
- Do you say grace? / 食前のお祈りはしますか。
- This was so much fun. / とても楽しかったです。
- We should do this again. / またやりましょう。
- Thank you for a wonderful evening. / 素敵な夜をありがとうございました。
Should I wait for everyone? は、いただきますが無い文化で迷ったときの万能の一言です。その家のやり方をそのまま教えてもらえます。
家庭によって、全員そろうまで待つところと、待たないところがあります。
聞いてしまうのが、いちばん確実で失礼になりません。
Do you say grace? は、食前のお祈りをするかどうかの確認です。
お祈りをする家庭で先に食べ始めてしまうと、気まずくなります。
初めて招かれた家では、周りが手をつけるまで待つのが安全です。1テンポ遅らせるだけで、失敗はほぼ防げます。
いただきますの英語|もう食べられないと断る9本
すすめられた料理を、角を立てずに断る言い方です。
- I'm good, thank you. / もう大丈夫です。
- I'm stuffed, but thank you. / お腹いっぱいです、ありがとう。
- Maybe in a little bit. / 少ししたらいただきます。
- It was so good, but I'm full. / おいしかったけど満腹です。
- Just a little, please. / 少しだけお願いします。
- Can I take some home? / 持ち帰ってもいいですか。
- I'm saving room for dessert. / デザートの分を空けています。
- I have an allergy to nuts. / ナッツのアレルギーがあります。
- I don't eat meat, but thank you. / 肉は食べないんです、ありがとう。
断るときは、必ず褒め言葉とセットにしてください。It was so good, but I'm full. なら、作り手はまったく気を悪くしません。
Can I take some home? は、断りではなく最高の褒め言葉になります。
アメリカの家庭では、余った料理を持ち帰らせるのがごく普通です。
遠慮せずに頼んだほうが、相手も片づけが楽になって喜びます。
食べられないものがあるときは、早めに伝えるのが親切です。
アレルギーや食べられないものは、招かれた時点で伝えておいてください。当日に残すより、事前に言うほうがずっと喜ばれます。
いただきますの英語|レストランで使う9本
外食のときの、食事の前後のやりとりです。
- Enjoy your meal. / ごゆっくりどうぞ(店員が言う)。
- Thank you, you too. / ありがとう、そちらも。
- Everything was great, thank you. / ごちそうさまでした。
- Could we get the check? / お会計をお願いします。
- Could I get a box? / 持ち帰り用の容器をください。
- Compliments to the chef. / シェフに伝えてください。
- We'll be back. / また来ます。
- It was all delicious. / どれもおいしかったです。
- Thanks for taking care of us. / お世話になりました。
店員の Enjoy your meal. に Thank you, you too. と返して笑われることがあります。相手は食べないからです。気にせず Thank you! で十分です。
これは英語圏でも定番の言い間違いとして知られています。
現地の人もやってしまうので、恥ずかしがる必要はまったくありません。
Compliments to the chef. は、料理をとくに気に入ったときの一言です。
店員さんが厨房に伝えてくれるので、作り手に直接届きます。
アメリカの店では、持ち帰りを頼むのが普通です。残すことより、持ち帰らないことのほうがもったいないとされています。
いただきますの英語は場面の順番で選ぶ
食事の流れに沿って、使う言葉を並べておきます。
| 順番 | 場面 | 英語 |
|---|---|---|
| 1 | 家に着いたとき | Thanks for having me. |
| 2 | 料理を見たとき | This looks amazing! |
| 3 | 食べ始める前 | Should I wait for everyone? |
| 4 | 食べている途中 | The sauce is incredible. |
| 5 | 食べ終わったとき | That was delicious. |
| 6 | 帰るとき | Thank you for a wonderful evening. |
この6つを順番に言うだけで、いただきますとごちそうさまの役割は全部果たせます。1語で言おうとしないのがコツです。
日本語では2語で済むものが、英語では6回に分かれています。
その代わり、1回ずつの言葉が具体的で、相手に直接届きます。
どちらが良い悪いではなく、感謝の伝え方の設計が違うだけです。
いただきますの英語でやりがちな間違い6つ
- 直訳を探し続ける=1語で対応する英語は存在しない
- 招かれた側が Dig in! と言う=もてなす側の言葉
- 黙って食べ始める=褒め言葉が無いと素っ気なく見える
- おかわりを遠慮する=英語圏では褒め言葉として受け取られる
- 持ち帰りを遠慮する=残すほうがもったいないとされる
- アレルギーを当日まで言わない=事前に伝えるのが親切
いちばん損をするのが、黙って食べ始めて黙って終わることです。日本では礼儀正しくても、英語圏では楽しんでいないように見えます。
作った人は、感想が返ってくることを前提にしています。
何も言われないと、口に合わなかったのかと心配されてしまいます。
ひとくち食べたところで This is so good! と言うだけで十分です。
その一言が、いただきますの代わりを果たしてくれます。
英語圏の食卓では、感謝は言葉にして初めて伝わります。心の中で思っていても、伝わらなかったことになります。
いただきますの英語を使う会話例
実際の流れの中で見ると、使い分けがはっきりします。
- 家に着いた / Thanks for having me! It smells amazing in here.(お招きありがとう、いい匂いですね)
- 席に着いた / Should I wait for everyone?(みんなを待ちますか)
- ホストが / Dig in, everyone!(みなさんどうぞ)
- 食べながら / Wow, the sauce is incredible. What's in it?(ソースが最高です、何が入ってるんですか)
- 食べ終わって / That was delicious. I'm stuffed!(おいしかったです、満腹です)
- 帰り際 / Thank you for a wonderful evening. We should do this again!(素敵な夜をありがとう、またやりましょう)
6つの場面で、いただきますもごちそうさまも一度も直訳していません。それでも感謝は十分に伝わっています。
大事なのは、言葉を置き換えることではなく、同じ気持ちを伝えることです。
そう考えると、訳せない言葉に困る必要はなくなります。
いただきますの英語でよくある質問
いただきますの英語は本当に無いのですか
1語で対応するものはありません。
食前に全員で同じ言葉を言う習慣そのものが、英語圏には無いためです。
近いのは食前のお祈りですが、これは宗教的な家庭に限られます。
ごちそうさまの英語は何と言いますか
That was delicious. か Thank you for the meal. が最も近い形です。決まり文句ではなく、褒め言葉で代用します。
レストランなら Everything was great, thank you. が自然です。
Itadakimasuとそのまま言っても通じますか
日本文化を知っている相手なら通じます。
知らない相手には、意味を一言添えると会話のきっかけになります。
食前のお祈りに参加しないといけませんか
- 静かに手を止めて待つ / 参加しなくても失礼になりません。
- 頭を下げるだけ / 敬意を示す形になります。
- Amen. と言う / 言いたければ言ってかまいません。
信仰が違っても、静かにしていれば問題ありません。
いただきますの英語をチャットで書くには
食事の写真を送るときは Dinner time! や About to dig in! が使われます。
食後なら That was so good. と書けば伝わります。
おかわりはどう頼みますか
Could I have seconds? か Seconds, please! が定番です。
遠慮せず頼んだほうが、作った人は喜びます。
いただきますの英語を子どもに教えるなら
Thank you for the food. と Let's eat! の2つから始めます。
アメリカの家庭では、作った人に直接お礼を言うよう教えます。
いただきますの意味を英語で説明するには
It's a way of thanking everyone and everything that brought this food to the table. と説明すると伝わります。
作った人だけでなく、食材そのものにも感謝している点を伝えるのがコツです。
この説明をすると、たいてい「いい習慣だね」と言ってもらえます。
手を合わせるしぐさは海外でも通じますか
意味は通じませんが、失礼にはなりません。
祈りのしぐさに見えるので、静かに感謝しているのだと受け取られます。
気になるなら、そのあとに Thank you for the food. と一言添えてください。
食事中に話しかけてもいいですか
むしろ話すことが期待されています。
アメリカの食卓では、会話そのものが食事の中心だと考えられています。
黙って食べていると、機嫌が悪いのかと心配されることがあります。
いただきますの英語まとめ
最後に5本に絞ります。
- 食べ始める / Let's eat! / Dig in!
- 料理を見て / This looks amazing!
- 食べながら / This is so good!
- 食べ終わって / That was delicious.
- お礼 / Thank you for the meal.
この5本があれば、いただきますとごちそうさまの役割はすべてカバーできます。
いただきますの英語でいちばん損をするのは、直訳を探して黙ってしまうことです。
ぴったりの一語を探している間に、食事が始まって終わってしまいます。
訳せない言葉は、訳さずに役割ごとに分けてください。
合図は Let's eat、感謝は Thank you、感想は This is so good で足ります。
迷ったときは This looks amazing! を選んでください。食べる前の一言として、いただきますにいちばん近い働きをします。
もう一つ覚えておきたいのが、食後に必ず一言残すことです。
英語圏では、食事の感想を言わずに席を立つと素っ気なく見えます。
That was delicious. の3語だけでも、まったく印象が変わります。
作った人は、その一言を待っています。
頭で分かっていても、とっさに口から出るかどうかは別の話です。実際に声に出す回数だけが、食卓の一言を体に入れてくれます。
実際の会話で選び分ける練習をするのが近道です。AI英会話で口に出して練習するのがおすすめです。
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