自分の英語力を測ってみたい。そう思って調べ始めると、試験の名前がいくつも出てきます。
TOEIC、TOEFL、IELTS、英検。名前は知っていても、どれが自分向きなのかはわかりません。
ゆりねこりん先生、どれ受けたらええの? とりあえず有名なやつ受けといたらええんちゃう?



それが一番もったいないねん。この4つは「測ってるもの」が全然ちゃうから、目的で選ばなあかんのよ。
この4つは、優劣ではなく用途で分かれています。何のスコアが必要なのかが決まれば、受ける試験は自動的に決まります。
この記事では、4つの違いを目的・形式・スコアの3点で整理し、最後に「換算表」の落とし穴にも触れます。
- TOEIC・TOEFL・IELTS・英検がそれぞれ何のための試験か
- 4つの形式とスコアの出し方の違い
- 目的別に、どれを受けるべきか
- ネット上の「スコア換算表」を鵜呑みにしてはいけない理由
- TOEFLが大きく変わったこと(2026年1月)
この記事の情報について|試験の仕様・料金・実施方式は変わります。この記事では料金は扱いません。受験を決めたら、必ず各試験の公式サイトで最新の要項を確認してください。
4つの試験は「誰のために作られたか」が違う
結論から書きます。まず、それぞれが想定している場面を押さえてください。
- TOEIC|仕事や日常の場面で英語がどれだけ通じるかを測る。日本の企業で採用・昇進の基準として使われることが多い
- TOEFL|英語で大学の授業を受けられるかを測る。主に北米の大学への出願で使われる
- IELTS|留学・移住のために使われる。イギリス・オーストラリア・カナダなどで広く受け入れられている
- 英検|日本国内向けの段階別の資格試験。国内の入試や単位認定で使われる場面が多い
「英語力を測る」という点は同じでも、想定している場面が違うので、出てくる語彙も設問の形も変わります。
形式とスコアの違い
TOEIC|合否ではなくスコアで出る
もっとも広く受けられているのが、聞く・読むの2技能を測る Listening & Reading テストです。話す・書くを測るテストは、別に用意されています。
合格・不合格はなく、点数が出ます。目標点を決めて何度も受ける、という使い方がしやすい試験です。
知っておきたい経緯として、TOEICは2019年7月に、大学入試英語成績提供システムへの参加を取り下げています。そのため、文部科学省が公表していた試験の対照表も、2019年8月の改訂版ではTOEICが外れています。
TOEFL|2026年1月にスコアの出し方が変わった
ここが、いま最も注意が必要なところです。
TOEFL iBTは、2026年1月21日から、スコアが従来の0〜120点ではなく1〜6のスケールで出るようになりました。4つのセクションがそれぞれ1〜6で0.5刻み、総合はその平均です。
従来の0〜120のスコアは、移行期間のあいだスコアレポートに併記されます。ETSの公式ページには、2026年1月以降の2年間が移行期間だと書かれています(2026年9月時点で確認)。
さらに大きいのが、設問の中身も変わっていることです。公式の現行ページに並んでいる設問の種類は、以前の対策本に載っているものとは違います。
- Reading|Complete the Words/Read in Daily Life/Read an Academic Passage
- Listening|Listen and Choose a Response/Listen to a Conversation/Listen to an Announcement/Listen to an Academic Talk
- Writing|Build a Sentence/Write an Email/Write for an Academic Discussion
- Speaking|Listen and Repeat/Take an Interview
つまり、「講義を聞いて要約する統合型ライティング」や「独立問題+統合問題のスピーキング4問」を前提にした対策情報は、現行の構成とは合いません。
また、公式ページには試験が受験者に合わせて変化する(adapts)と書かれており、時間や問題数は変わりうるとされています。だから問題数や時間を断定している情報は、そこだけで疑ってよいです。
対策本や解説記事の多くは、スケールの変更だけを直して設問の変更を反映していないことがあります。必ずETSの公式ページで現行の構成を確認してください。
IELTS|9段階のバンドスコアで出る
4技能を測り、結果はバンドスコアという9段階の数値で出ます。0.5刻みです。
スピーキングが試験官との対面形式である点が、他の試験との大きな違いです。
実施方式も変わっています。日本英語検定協会のIELTS公式案内には、ペーパー版が終了し、今後はコンピューター版を利用するよう案内が出ています(2026年9月時点で確認)。
なお、留学向けと移住向けでモジュール(受験する種類)が分かれています。申し込むときに間違えないよう注意してください。
英検|級ごとの合否で出る
他の3つと最も違うのが、級に分かれていて合否が出ることです。自分のレベルに合った級を選んで受けます。
一次試験(筆記・リスニング)に通ると、二次試験(面接形式のスピーキング)に進む形です。
級の構成も更新されています。2025年度から、準2級プラスが加わりました。
目的別|どれを受けるべきか
就職・転職・昇進のために国内で示したい=TOEIC
日本の企業の募集要項で数字が求められる場合、多くはTOEICのスコアです。まずここを確認してください。
ただし、企業や職種によっては別の試験を指定していることもあります。応募先の要項が最優先です。
北米の大学に出願する=TOEFL(ただし出願先の指定を確認)
TOEFLは大学の授業を受けられるかを測る設計なので、進学の場面で使われます。
ただし、大学ごとに受け入れる試験と必要スコアが違います。スケール変更の直後でもあるため、出願先が現行のどのスコアで基準を出しているかを必ず確認してください。
イギリス・オーストラリア圏への留学や移住=IELTS
受け入れ先が広く、留学だけでなく移住の審査でも使われます。
対面のスピーキングがあるため、人と話す形式に慣れておく必要があります。
学習の区切りをつけたい・国内の入試に使いたい=英検
級があることで、いまの自分に合った目標を立てやすい試験です。学習のペースメーカーとして使いやすい形をしています。
国内の入試や単位認定で使える場面もありますが、扱いは学校ごとに違います。募集要項で確認してください。



「どれが一番えらいか」やのうて、「誰に見せるか」で決まるんよ。見せる相手が指定してる試験があるなら、その時点で答えは出とるわ。
スコア換算表を鵜呑みにしてはいけない
「英検2級はTOEIC◯点相当」のような表を、よく見かけます。ここは正確に書いておきます。
公式の対応表があるのは、TOEFLとIELTSの組み合わせだけ
ETSの公式サイトには、TOEFL iBTとIELTSを比較する対応表が掲載されています。これは、両者のスコアを突き合わせた研究にもとづくものだと公式に説明されています。
一方で、次の組み合わせには公式が公表している直接の換算表がありません(2026年9月時点で確認)。
- 英検 ↔ TOEIC
- 英検 ↔ TOEFL
- 英検 ↔ IELTS
- TOEIC ↔ TOEFL
- TOEIC ↔ IELTS
つまり、これらの換算表として出回っているものは、公式の対応ではなく民間の目安です。参考にするのは構いませんが、出願や応募の判断材料にはできません。
CEFRとの対応も、試験によって出ている範囲が違う
ヨーロッパの語学レベルの枠組みであるCEFR(A1〜C2)との対応も、試験ごとに公表されている範囲が違います。
たとえばTOEIC L&Rについては、合計点とCEFRを直接結ぶ公式の対応は公表されておらず、公表されているのはセクションごとの基準スコアです。
IELTSについても、公式の対応は総合バンドについてのもので、技能別の対応は示されていません。
公式が出している対応と、民間の目安を混ぜて読まないでください。ここを混ぜると、出願要件の判断を間違えます。
4つの試験についてよくある質問
まず何から受ければいいですか
スコアを見せる相手がいるなら、その相手が指定している試験です。指定がなく、自分の現在地を知りたいだけなら、受けやすいものから始めて構いません。
複数を並行して受けるのは意味がありますか
目的が複数ある場合を除いて、あまりおすすめできません。形式が違うため、対策が分散します。
まず1つに絞り、目標を達成してから次を考えるほうが進みます。
TOEFLの古い対策本は使えませんか
読解や語彙の練習としては使えますが、設問の形式に合わせた対策としては現行と食い違う部分があります。
形式対策は、必ず公式の現行ページと公式教材で確認してください。
スコアに有効期限はありますか
試験によって扱いが違い、提出先が独自に「何年以内のもの」と定めていることもあります。提出先の要項で確認してください。
まとめ|試験は「見せる相手」で決まる
- TOEICは仕事の場面、TOEFLは大学の授業、IELTSは留学と移住、英検は国内の段階別資格
- TOEFL iBTは2026年1月21日からスコアが1〜6に変わり、設問の中身も変わっている
- IELTSはペーパー版が終了し、コンピューター版での実施に移っている
- 英検は2025年度から準2級プラスが加わった
- 公式の直接換算表があるのはTOEFLとIELTSの組み合わせだけ。他は民間の目安
- 受ける前に、必ず各試験の公式サイトと提出先の要項を確認する



まずは「誰に、何点を見せなあかんのか」を1行で書いてみ。それが書けたら、受ける試験はもう決まってるで。
まずは応募先や出願先の要項を開いて、指定されている試験の名前を確認するところから始めてみてください。








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