単語帳を買っては、最初の50ページだけが手あかで黒くなっていく。
後ろのページは新品のまま、次の単語帳を買ってしまう。心当たりはありませんか。
ゆりねこりん先生、うち単語帳を3冊持ってるけど、どれも最後までいったことないねん……



それ、やる気の問題ちゃうで。1周目を完璧にしようとしてるからや。1周目は「見るだけ」でええんよ。
単語帳が終わらない理由はほとんど共通していて、1周目で覚えきろうとしていることに尽きます。
この記事では、1冊を最後まで回しきるための具体的な手順と、途中で止まらないための考え方をまとめます。
- 単語帳が最後まで終わらない本当の原因
- 1冊を10周する具体的な回し方
- 1周目・2周目・3周目以降でやることの違い
- 単語帳を何冊持つべきかの答え
- 覚えられない語をどう扱うか
英単語の暗記のコツは、1周目を捨てること
結論から書きます。
単語帳は「1周で覚える本」ではなく「10周するための本」です。この前提を変えるだけで、進み方がまったく変わります。
1周で覚えようとすると、1語に時間がかかります。1語10秒なら、1500語の単語帳は1周だけで4時間を超えます。
しかも、その4時間で覚えた語は、最後のページに着くころには最初のほうが薄れています。労力に対して残るものが少ないやり方です。
同じ語に10回会うほうが、1回じっくり見るより残る
人の顔を思い出すときと同じです。1回だけ長時間見た人より、何度もすれ違った人のほうが覚えています。
単語も同じで、接触の回数が効きます。だから1周にかける時間を短くして、周回数を稼ぎます。
「覚えた」の基準を下げる
覚えたかどうかの基準を、つづりが書けること・複数の訳が言えること・例文が言えること、と高く設定すると前に進めません。
最初の基準はひとつだけでいいです。英語を見て、訳が1つ出てくる。これだけで「覚えた」に入れます。
つづりも例文も、あとから足せます。順番を守れば、追加は驚くほど楽になります。
単語帳を10周する具体的な回し方
周ごとに、やることを変えます。全部の周を同じやり方でやると、時間だけかかります。
1周目|全ページに目を通すだけ。覚えない
英語と訳をセットで見て、次へ進みます。1語1〜2秒。立ち止まりません。
目的は、この本にどんな語が入っていて、どのあたりに何があるかという地図を頭に作ることです。
1500語なら、1周目は1時間かからないはずです。「1周した」という事実そのものが、あとの周を軽くします。
2周目|訳を隠して、×をつける
2周目から仕分けに入ります。訳を隠して英語を見て、出てこなければ×。3秒待って出なければ×です。
ここでも覚えようとしません。やっているのは仕分けです。
この時点で、たいてい半分以上に×がつきます。それが普通なので、気にしないでください。
3周目以降|×の語だけを回す
3周目からは、×がついた語だけを見ます。○の語は飛ばします。
これで1周にかかる時間が半分以下になります。周を重ねるほど×が減り、1周がどんどん短くなっていきます。
出てきた語には×の横に○を足します。2回続けて出てきたら、その語は卒業という扱いにします。
7周目あたりで残る「しつこい語」を別扱いにする
何周しても出てこない語が、必ず数十個残ります。ここだけはやり方を変えます。
別の紙に書き出し、例文ごと声に出す、語源を調べる、自分の生活に結びつけた例文を作る、といった手間をかけます。
残った語は少数なので、ここで時間をかけても全体は崩れません。手間をかける対象を絞るために、前半で速く回しているわけです。
周と周の間は、少しあけたほうが効く
1周目と2周目を同じ日に続けてやると、直前に見た記憶がまだ残っているので、本当は×がつくはずの語に○がついてしまいます。仕分けが甘くなったぶん、あとの周で取りこぼします。
周の区切りは、最低でも1日あけてください。忘れかけたところで会いに行くから、思い出す力が働きます。すらすら出てくる状態で見直しても、ほとんど負荷はかかっていません。
逆に、あけすぎるのも避けたいところです。前の周でどこに×をつけたか思い出せなくなるくらい間があくと、実質的に1周目からやり直しになります。
単語帳は1冊だけにする
複数冊を並行してやると、どれも中途半端になります。
収録語は8割が重なっている
同じレベル帯の単語帳は、載っている語がかなり重なります。順番と例文が違うだけ、ということも珍しくありません。
2冊目に移ると、覚えた語をもう一度、違う順番で見直すことになります。時間の使い方としては効率がよくありません。
選ぶ基準は「音声がある」「自分のレベルに合う」の2つ
単語帳選びで迷う時間も、実はもったいないところです。基準は2つで足ります。
- 音声がついている(形式は問わない)
- 適当に開いたページで、知らない語が3〜5割くらい
知らない語が8割を超える本は、いま使う本ではありません。逆に1割しか知らない語がなければ、簡単すぎます。
買い替えたくなったら、周回数を数える
新しい単語帳が欲しくなるのは、たいてい進んでいる実感がないときです。
そういうときは、いま何周目かを数えてください。3周未満なら、買い替えても同じことが起きます。



新しい本を買うたときのワクワクが「勉強した気」になるんよな。あれが一番の落とし穴や。
英単語の暗記でやりがちな失敗
- 1周目から訳を全部覚えようとして、50ページで止まる
- 覚えた語にも毎回同じ時間をかけて、周が進まない
- 単語帳を複数冊、並行して使う
- つづりを書けることを最初の基準にしてしまう
- 思い出せない語で10秒以上考え込む
- 「今日は気分が乗らない」で1日飛ばし、そのまま止まる
最後のひとつには対処法があります。気分が乗らない日は、1ページだけ見て閉じると決めておくことです。
ゼロの日を作らないほうが、結果として周が進みます。
英単語の暗記についてよくある質問
何周すれば覚えられますか
必要な周数は人によって差が大きく、何周で覚えられると言い切ることはできません。
目安としては、×の語が全体の1割を切ったあたりで、その単語帳としては一区切りと考えていいと思います。
アプリの単語帳でも同じやり方でいいですか
同じで構いません。むしろ、○×の仕分けと出題の絞り込みは、アプリのほうが手間がかかりません。
ただし、どのあたりのページにあったかという位置の記憶は、紙のほうが働きやすいです。どちらにも長所があります。
つづりは覚えなくていいのですか
最初の段階では後回しで構いません。読んで意味がわかる語が増えるほうが、先に効果が出ます。
ただし、英作文やスピーキングが目標にあるなら、卒業した語から順につづりを足していきます。
覚えた語をすぐ忘れてしまいます
忘れるのは普通のことです。問題は忘れたことではなく、忘れた語に会いに行く仕組みがないことです。
卒業した語も、月に1回はまとめて1周してください。1語1秒なら、1500語でも30分かかりません。
まとめ|1冊を10周すれば、単語帳は終わる
- 単語帳は1周で覚える本ではなく、10周するための本
- 1周目は覚えない。全ページに目を通して地図を作る
- 2周目で×をつけ、3周目からは×の語だけ回す
- 「覚えた」の基準は、訳が1つ出てくることだけ
- 単語帳は1冊に絞る。買い替えたくなったら周回数を数える
- 気分が乗らない日は1ページだけ見て閉じる



今日は覚えんでええから、最後のページまでめくってみ。「終わりが見えた」だけで、明日から全然ちゃうで。
まずは手元の単語帳を、1語1秒で最後までめくるところから始めてみてください。









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